ゲシュタルト療法の『連続的な気づき(continuous awareness)』
フリッツ・パールズ(F.S.Perls)とローラ・パールズの夫妻が考案した『ゲシュタルト療法(gestalt therapy)』では、現実の人間関係を再現する“ロールプレイング”や感情と結びついた“身体感覚”を用いて『今・ここにおける気づき』を促進していく。ゲシュタルト療法は『現在の時点における体験型の技法』であり、S.フロイトの精神分析療法などとは違って、『過去の記憶・感情(わだかまり)・葛藤』などを話題にしたり分析したりすることはまず無い。
ゲシュタルト療法の基本理念として『自分自身であることを忘れずに、自分自身の人生を生きよ』というゲシュタルトの祈りがあるが、この技法ではありのままの自分の存在や感情を受け容れながら、身体と精神の調和が取れたバランスの良い自己を作り上げていくことが目標になる。ゲシュタルト療法はロールプレイング(役割演技)や感情表現を中心とした体験療法としての色彩を濃く持っている。『今・ここ』にいる自分の身体感覚や認知傾向に対する気づきを得ることで、環境適応性を高めていきながら苦痛な心理状態を回復させていくのである。
今までに気づくことができなかった感覚や認知、現実状況に気づくこと、これがゲシュタルト療法の治療機序(治療メカニズム)になっており、この『効果的な気づき(effective awareness)』が連続的に起こってくることを『連続的な気づき(continuous awareness)』と呼んでいる。クライアントの心理状態が本格的に回復してくる時や、問題状況(対人関係)が急速に改善してくる時には、ゲシュタルト療法でいう連続的な気づきが起こっていることが多い。
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