精神医学におけるクライエント(患者)の多面的理解と治療方針の見立て:2
精神科医(カウンセラー)が患者(クライエント)に対して抱く強い感情である『逆転移』の中には、患者(クライエント)との治療的対話の相互作用と投影同一視によって生じた精神科医(カウンセラー)自身の強烈な感情・記憶・反応パターンが含まれている。
そして、精神科医(カウンセラー)が自分の逆転移を引き起こしたクライエントの言動を深く掘り下げて分析していくことによって、クライエントの内的な葛藤や過去のトラウマの影響、対象関係のパターンをより実際的なものとして共感的に理解することができるようになるのである。
精神医学におけるクライエント(患者)の多面的理解と治療方針の見立て:1
心理療法やカウンセリングにとって最も重要なのは『カウンセラー(心理臨床家)とクライエントの相性』であり、精神分析家・精神科医のM.ストーン(M.Stone)は心理療法の効果に最も大きな影響があるのは『カウンセラー・治療者が患者のことを気にいるかどうかである』と語っている。
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