自我の思考過程の障害と統合失調症:2
強迫性障害の思考過程の障害では『迷信・ジンクス・儀式・慣習』に大きな影響を受けやすくなり、現実原則に反した『魔術的な思考・幼児的な全能感』に支配されたかのような不合理な観念・行動を繰り返して反復してしまうことになる。
統合失調症(Schizophrenia)に典型的に見られる思考過程の障害としては、『観念連合の障害や弛緩・無意識の一次過程の内容の意識領域への侵入(幻覚妄想の原因となる)・現在と過去の記憶内容の混乱や誤認』があり、言葉のサラダと呼ばれる支離滅裂な言語や新語造作、音韻連合などの形で『無意識過程の言語化・表面化』が起こりやすくなるのである。
統合失調症の初期症状や発病前の状態でも、投影法であるロールシャッハ・テストや精神分析の自由連想法を用いることで、上記したような『思考過程の障害』を確認できることがある。
他者に対する興味を失ったり、現実検討能力が低下したりする統合失調質パーソナリティー障害(シゾイド・パーソナリティー)では、夢・白日夢などの空想世界に没頭して、周囲の人々との現実的な交流から遠ざかり、日常生活もひきこもりがちになってしまう。
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