ハンス・アスペルガーがアスペルガー障害に見た知能・言語能力の高さと知的職業の適応への可能性
L.ウイングが、アスペルガー障害を含む自閉症スペクトラム(自閉症の連続体)の中核症状として定義したのが『ウイングの3つ組』である。ウイングの3つ組とは、『対人関係の障害(社会性の障害)・コミュニケーションの障害(言語機能の発達障害)・イマジネーションの障害(こだわり行動と興味の偏り)』の3つの特徴的な自閉症スペクトラムの問題のことである。
ローナ・ウイングのアスペルガー障害の再発見と自閉症スペクトラムの提案
アスペルガー障害にありがちな誤解・偏見として、『人間的な情緒・感情がまったくない』や『人間の個別的な特徴を理解することができない』があるが、実際にはアスペルガー障害の子供も親への愛着を形成しており、親と離れていると寂しさや孤独感(ホームシック)を訴えることはあるし、動物好きで熱心にペットの遊び相手や世話をしたりすることも少なくない。客観的な人間観察をすることでその相手がどのような特徴を持っているかを正確に分析することもできることがあり、人間個人のさまざまな特徴や傾向について全く理解できないというわけではない。
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