J.A.リー『恋愛の6類型論』とそれぞれの恋愛タイプの特徴
J.A.リー(1973)やヘンドリック&ヘンドリック(1986)などに依拠する『恋愛の6類型論』では、恋愛の類型(タイプ)を『エロス(情熱的な愛)・ルーダス(遊びの愛)・ストロゲー(兄弟愛・友愛)・プラグマ(実利的な愛)・マニア(熱狂的な愛)・アガペー(無償・献身の愛)』の6つに分類している。
エロス(情熱的な愛)……恋愛を人生のすべてととらえるようなロマンティックな恋愛、相手の外見に一目惚れしたり性的魅力に惹き込まれる恋愛。
ルーダス(遊びの愛)……恋愛を楽しいゲームのようにとらえるような遊びの恋愛、相手に執着せず深い付き合いをしない、軽い複数の相手との恋愛。
ストロゲー(兄弟愛・友愛)……激しい感情ではなく穏やかな友情に近い恋愛、相手との信頼・友好を深めていき気づいたら恋愛になっているような関係。
プラグマ(実利的な愛)……恋愛を目的ではなくメリットを求める手段として考える、社会的経済的な実利の要因によって恋愛相手を選択する。
マニア(熱狂的な愛)……嫉妬・執着・悲哀の激しい感情を持ち、独占欲の強い熱狂的な恋愛。
アガペー(無償・献身の愛)……見返りを求めず自己犠牲も厭わない無償の献身的な恋愛、普遍的な愛情。
6つの恋愛類型の測定尺度を用いた大学生を対象にした統計的研究では、女性に実利・結婚のプラグマの傾向が強い結果が出ている。楽しみ・遊びのルーダスについては日本では女性のほうが強いが、米国では男性のほうが強くなっていて文化差が想定される部分もある。
1990年代には現代の若者の恋愛では、独占欲や嫉妬・執着といった要素が前面に出やすいマニアが強い傾向があるとされていたが、2000年代以降には恋人がいない若者の比率が増えて『若者の恋愛離れ・恋愛格差』が指摘されることも増えている。
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