異性不安と異性交際不安:異性から拒絶・否定・軽蔑などをされないかという不安
異性と一緒にいる時、異性に話しかけたり共に仕事・作業をしたりする時に、『不安感・緊張感・気後れ(劣等感)』といったネガティブな感情を感じる人は少なくない。思春期・青年期の人は特に、好きな異性ができてその異性に近づきたいと思ったり恋愛(交際)をしたいと思ったりした時に、『不安感・緊張感・気後れ(劣等感)』が強まりやすい。
異性とのコミュニケーションや異性との恋愛・交際は、思春期・青年期の発達段階にある人にとって主要な関心事や悩み事になりやすいものである。結婚に結びつくほどの恋愛まではしないとしても、異性との出会い・関係性やコミュニケーション(異性にモテるかモテないか・好きな異性と付き合えるか)がどのようなものであるかは『自己アイデンティティーの確立・拡散』『自己評価・自信の高低』とも深く関わっている。
特定の異性に限定されない一般的な異性との相互作用にまつわる不安を『異性不安』といい、特定の異性と親密になっていく過程や恋愛・交際を始めてから後の関係性の展開・変化にまつわる不安を『異性交際不安』と呼んで区別している。
思春期・青年期は特に自意識過剰や異性に嫌われたくない・馬鹿にされたくないというプライドから、一般的な異性との相互作用に対する『異性不安』を抱く人は多い。思春期・青年期に限らず、個人的に親しい付き合いにまで進展していない異性とのふれあいやコミュニケーションで不安感を感じたり緊張したり気後れしてしまうという人は意外に多いものである。異性不安は『対人不安・対人緊張』とも似たところがあるが、不安や緊張、気後れを感じる対象が異性に限定されている。
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