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2017年07月10日

[内的作業モデルと愛着理論から考える人間関係2:『安定・回避・アンビバレント』に分類する内的作業モデル尺度]

内的作業モデルと愛着理論から考える人間関係2:『安定・回避・アンビバレント』に分類する内的作業モデル尺度

愛着理論(attachnment theory)では、愛着対象(他者)との間で愛着の成立・喪失に関係したさまざまな出来事を経験することによって、個人の内面に『人間関係の定型的パターン』が表象化されていくことになる。その結果、『愛着対象の有効性・信頼性についての確信(相手がどれくらい信じられるか)』『自己についての確信(自分がどれくらい信じられるか)』が形成されることになる。

内的作業モデルと愛着理論から考える人間関係1:幼少期の好ましい愛着形成が安全感をつくる

更に掘り下げて言えば、『愛着対象の有効性・信頼性についての確信』とは、結びついている愛着対象が自分の要求に対してどのくらい前向きに応答してくれる存在であるかということの確信である。『自己についての確信』は他者についての確信を補完するものであり、自分自身が愛着対象(親しいと思っている他者)からの援助や支持に値するだけの価値ある存在であるかということの確信である。

この『他者・自己についての確信(内面にある心的表象)』は、その後の対人関係における愛着関係の出来事に影響を受けながら、一般的な対人関係での行動パターンを間接的に規定していくことになるが、これを『内的作業モデル』と定義しているのである。愛着関係の中で示される個人に特有の対人関係の行動パターンを『愛着スタイル』というが、この愛着スタイルにも内的作業モデルが影響を及ぼしている。

戸田弘二は愛着理論(乳幼児期の愛着パターン)を参考にして内的作業モデルを『安定・回避・アンビバレント(両価的)』の三次元に分類してから、その内的作業モデルの特徴の個人差を測定する心理測定尺度『内的作業モデル尺度(1988)』を作成している。『内的作業モデル尺度』で測定された個人差は、ストレスや自己統制、パーソナリティー特性、死の恐怖感などとも相関する可能性が指摘されている。

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[内的作業モデルと愛着理論から考える人間関係1:幼少期の好ましい愛着形成が安全感をつくる]

内的作業モデルと愛着理論から考える人間関係1:幼少期の好ましい愛着形成が安全感をつくる

アブラハム・マズローの欲求階層説では、『生理的欲求(食欲・睡眠欲)』の次の段階として『安全・安心の欲求』が置かれている。安全感を得たいという欲求は人間の最も基本的な欲求の一つであり、よく知らない未知の対象(他者)との間で相互作用を行うためには、『一定の安全感の保証』がなければならないが、この安全感は遺伝要因や幼少期の愛着形成の経験による『個人差』が大きい。

よく知らない他者とコミュニケーションしても、この『安全感』が低下せずに比較的安定している人もいれば、すぐに安全感が障害されて不安・混乱・逃避を来たしてしまうような人もいる。この安心感・安全感にまつわる個人差は、その人が自分と他者との関係性をどのような意味や影響を持つものとして捉えているかによって規定されてくるところがある。

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[対人態度と一般的信頼感2:自分と他人への信頼と不信は両立する可能性がある]

対人態度と一般的信頼感2:自分と他人への信頼と不信は両立する可能性がある

天貝由美子は発達心理学研究で他者に対する一般的信頼感を、『自分への信頼・他人への信頼・不信』で多元的(三次元的)に捉えた上で、『信頼感尺度(1997)』を作成しています。

[対人態度と一般的信頼感1:人一般をどれくらい信じるかを測定する『信頼感尺度』]

この心理測定尺度(心理テスト)では、他者を信じやすい人ほど騙されやすいという世間一般にある思い込みの先入観が否定されており、『自分や他者を信じること』『人一般を疑う適度な不信感(注意深く用心深く判断する必要を感じること)』は両立し得ることが示されました。自分や他者への一般的信頼感が強いから、騙されやすい単純な性格行動パターンを持っているというわけではないのです。

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[対人態度と一般的信頼感1:人一般をどれくらい信じるかを測定する『信頼感尺度』]

対人態度と一般的信頼感1:人一般をどれくらい信じるかを測定する『信頼感尺度』

心理学における『態度(attitude)』とは、社会的対象に対する特定の個人の行動を規定する『持続的な考え方・感じ方・反応様式・行動の準備状態』のことです。他者に対する個人の行動を規定する態度のことを『対人態度』といいますが、良好な人間関係形成に寄与する典型的な対人態度として『信頼感・共感性』があります。

信頼感には、具体的な特定の相手の人間性や言動をどれくらい信じるかという『特定的信頼感』だけではなく、一般的な他者の人間性や言動をどれくらい信じるかという『一般的信頼感』があります。他者一般に対する『基本的信頼感(一般的信頼感)』は、エリク・エリクソンの社会的精神発達理論では、乳児期の発達課題(=親から愛情や保護を与えてもらえるかによって基本的信頼感の獲得の成否が変わってくる)としてよく知られています。

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[独自性欲求(ユニークネス欲求)と日本語版の独自性欲求尺度]

独自性欲求(ユニークネス欲求)と日本語版の独自性欲求尺度

自分を他者とは異なる独自の存在としてアピールしたい欲求のことを『独自性欲求・ユニークネス欲求』という。独自性欲求が強い人ほど、自分自身を特別な特徴や能力があるユニークな存在であるべきと考えており、『自分が他人と同じであること』『他者と比べて目立つところのない普通・標準であること』を嫌う傾向がある。

日本人は欧米人と比較すると『同調圧力・みんな(普通)から外れる不安』の影響を受けやすく、『他者と同じであること・他者に合わせること』を重視するので、独自性欲求(ユニークネス欲求)は低くなりやすいと言われている。欧米社会でも『帰属集団の標準(普通)からの逸脱』に対するネガティブ(否定的)な評価はあるが、心理学者のC.R.スナイダー(C.R.Snyder)H.L.フロムキン(H.L.Fromkin)はこの標準からの逸脱にポジティブな意味合いを与えた。

C.R.スナイダーとH.L.フロムキンは、ポジティブ(肯定的)な独自性と関係する5つの因子として『独立心・反同調性・改革性・達成・自尊心』を上げて、1980年に独自性欲求の心理測定尺度を作成している。スナイダーとフロムキンの『独自性欲求尺度』は岡本浩一によって1985年に日本語版が作成されている。

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posted by ESDV Words Labo at 07:22 | TrackBack(0) | と:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする