男性・女性にとっての結婚のメリットとデメリット(コスト):なぜ現代人はなかなか結婚しないのか?
男性と女性に分けて『結婚のメリット・デメリット(コスト)』をまとめてみると、以下のような感じになってきます。これらのメリット・デメリット(コスト)には、古典的なジェンダーによる性別役割分担に依拠するものも含まれていますが、現代では『フルタイムの共働き世帯』が増えることによって、ジェンダーに依拠しない夫婦の平等な役割分担や女性の家計収入への貢献度も上がってきています。
男性にとっての結婚のメリット
○妻の家事労働や身の回りの世話、家計の節約などのメリット。
○性的・恋愛的な満足、他人から承認される満足。特に美しくて魅力的な(自分が異性として好きになった)妻である場合。
○夫・父・一家の主としてのアイデンティティー獲得。権力・優越感・支配欲・父親性などによる満足。特に従順な妻や可愛い子供がいる場合。
○結婚による生活・関係の安定に基づく精神的な安定・安らぎ。一人前と思われる社会的信用・世間体の獲得。特に恋愛市場でモテない男性、恋愛のしづらい中年以上(30〜40代以上)の年齢を重ねた男性には有利となる。
○子供を持つことによる満足・安心。子育ての楽しみ、老後の相対的な安心感、財産を相続させられる子供など。
○結婚による人間関係・交友関係の広がり。親戚が増えたり学校・地域の知り合いが増えたりして、独身よりも社交的に社会参加する場が増えてくる。
○妻が地位・権威的職業・高所得・財産を持っている場合には、結婚による社会経済階層の上昇もある。
○結婚・子育て世帯に対する政治的な優遇策。税の控除・社会保険の充実・社会保障・住宅優遇・会社によっては家族手当ての賃金増加など。
○性別役割意識の満足度。特に男らしさ・父親らしさを満たしたい人にはメリットになり得る。
○大きな家に引っ越したり、家事を任せたりするなど、結婚によって空間・時間の自由度(相手には負担だが)が上がることもある。
男性にとっての結婚のデメリット
○妻の家事労働への不満、妻が節約できないなど家計負担の増大。
○妻以外の女性と恋愛・性行為ができない不自由、特に妻による性的満足を得られない場合には不満が大きくなる。
○将来のより良い相手との恋愛可能性を失ってしまう。特にモテる男性には不利になるが、誰しも年齢を重ねると純粋に良いと感じる相手との恋愛は難しくなっていく。離婚の難しさと離婚による慰謝料・養育費などのコスト。
○夫・父・一家の主としての自己アイデンティティーを得る代わりに、家族を扶養したり守ったりする義務と責任が重くなりプレッシャーがかかる。
○子育てに必要な労力と経済的負担、子供に一日の多くを縛られてしまうデメリット。
○結婚によって生じる親戚づきあいや地域行事・学校行事への参加の煩わしさ。社交性やボランティア意識の弱い人にとっては特にコストになる。
○妻の地位の低さ・職業や収入がないことによる社会経済階層の低下。
○独身者(単身世帯)に対する優遇政策や社会保障強化。
○男女平等意識・男性(父親)の権威否定に対する不満。特に働いてもあまり感謝しない妻、給与額への不満が多く(自分もパートで働いているからと)何の世話もしてくれない妻などへの不満。
○結婚によって失う自由の程度。
○家事労働を代替してくれる安価な製品・サービスの増加。