ウェブとブログの検索

カスタム検索





2017年08月21日

[M.H.デイビスの多次元共感測定尺度]

M.H.デイビスの多次元共感測定尺度

『情動的共感性尺度』の項目では、共感性に他者の気持ちを推測する『認知的側面』と他者の気持ちを擬似体験する『情動的側面』の二つがあることを説明したが、今までの研究では情動的側面が重視されることが多かった。共感性の認知的側面に注目した心理測定尺度(心理テスト)の研究も増えてきているが、その原点としてM.H.デイビス(M.H.Davis)『多次元共感測定尺度(1983)』がある。

M.H.デイビス(M.H.Davis)の『多次元共感測定尺度』は、共感性を四次元(四つの要素)で測定する尺度である。ここでいう共感性の四次元(四つの要素)とは、認知的要素の『視点取得(他者の気持ちの想像・認知)』、情動的要素の『共感的配慮(不幸な他者に対する同情・関心)』『空想(架空の人物への同一化傾向)』『個人的苦悩(緊急事態における不安・動揺)』のことである。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 06:30| き:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[『共感経験尺度・改訂版(ESSR)』と共有経験・共有不全経験で考える共感性の内容]

『共感経験尺度・改訂版(ESSR)』と共有経験・共有不全経験で考える共感性の内容

『情動的共感性尺度』と合わせて実施されることの多い、過去の共感経験に基づく共感性のタイプを測定するための尺度に、角田豊(1991)の『共感経験尺度・改訂版(ESSR)』もある。角田は共感性の概念について、他者理解を前提として感情的・認知的なアプローチを統合したものと考え、共感性・共感経験を『能動的または想像的に他者の立場に自分を置くことで、自分とは異なる存在である他者の感情を体験すること』と定義している。

他者理解につながっていく共感が成立するためには、他者と感情を分かち合う『共有機能』と、自他の独立的な個別性の認識がなされる『分離機能』が統合されなければならないとした。

角田の『共感経験尺度・改訂版(ESSR)』『共有経験』『共有不全経験』の二つの下位尺度から構成されているが、共有不全経験というのは他者の感情を感じ取れなかった過去の経験のことで、人は共有不全経験によって自己と他者の独立した個別性の認識を生じることにもなる。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 06:28| き:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

[共感性(empathy)の認知的側面と情動的側面:『情動的共感性尺度』]

共感性(empathy)の認知的側面と情動的側面:『情動的共感性尺度』

共感性(empathy)とは他者の感情や思考を推測したり感情移入して汲み取ることで、その他者と類似した情動を体験する性質・特性のことである。

他者の言動や感情、生活、人間関係の共感的な理解はカール・ロジャーズのクライエント中心療法でも重視されているが、臨床心理学やカウンセリングではその場の相手の不遇・不幸を心配して思いやるだけの『同情(sympathy)』と相手の立場に立って相手と類似の感情を感じ取って理解しようとする『共感(empathy)』を定義的に区別している。

共感性は他者の立場・視点に立ったつもりで感情・思考・行動を理解しようとする『認知的側面(認知的共感性)』と、他者の感情(情動)の状態を知覚して自分自身も類似の感情を擬似体験する『情動的側面(情動的共感性)』に分けることができる。

ストットランド(1969)は共感性の情動的側面について、『他人が情動状態を経験しているか、または経験しようとしていると知覚したために、観察者に生じた類似の情動的な反応』と定義している。

続きを読む
posted by ESDV Words Labo at 06:25| き:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする