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2008年06月28日

[髄膜炎(Meningitis)]

髄膜炎(Meningitis)

髄膜とは、中枢神経(脳・脊髄)を保護している膜の総称であり、脳は外側から『硬膜・クモ膜・軟膜』という三層の髄膜によって包まれている。硬膜は脳の外部を取り巻く最も強靭な膜であり、硬膜にある『静脈洞』の構造は脳脊髄液の循環機能に関与している。クモ膜は硬膜の内側にある多数の血管が通っている膜であり、『クモ膜下腔』という空間構造を持つ。脳脊髄液の分泌吸収に関わるクモ膜の血管が破れると『クモ膜下出血』を発症して、出血が脳の神経細胞を損傷すると各種の神経障害や言語障害が起こることもある。

軟膜は脳器官に接している柔らかい髄膜であり、髄膜炎という場合には急性の軟膜の炎症のことを指示することが多い。髄膜炎(Meningitis)とは、硬膜・クモ膜・軟膜の炎症の総称であるが、狭義の髄膜炎は脳に最も近くてやわらかい組織構造を持つ軟膜の炎症のことを指す。髄膜炎とは髄膜に細菌・ウイルス・がん性細胞が感染した炎症のことであり、他の年代と比べると乳幼児の発症率が高くなっている。髄膜炎は脳膜炎や脳脊髄膜炎という呼び方が為されることもある。

髄膜に感染しやすい細菌・ウイルスは年齢によって変わってくるが、乳児ではB群溶血性連鎖球菌・大腸菌・単純ヘルペスウイルス・ムンプスウイルス・リステリアなどの感染が多く、幼児・児童ではインフルエンザ桿菌・単純ヘルペスウイルス・ムンプスウイルス・肺炎球菌・髄膜炎菌などの感染症例が多く報告されている。

免疫力が低下した高齢者では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)・結核菌・真菌などに感染するリスクが高くなる。髄膜炎を発症すると、発熱・嘔吐・頭痛・胃痛・意識障害・筋肉痛などの症状が起こってくるが、細菌性の髄膜炎の治療には抗生物質を投与する。『発熱・頭痛・嘔吐』が髄膜炎の三大症状とされる。

髄膜炎には、化膿性髄膜炎(細菌性髄膜炎)と非化膿性髄膜炎(ウイルス性髄膜炎)とがあり、ブドウ球菌・髄膜炎菌・肺炎球菌などによる化膿性髄膜炎のケースでは抗生物質の効果があるが、ポリオ・ヘルペス・日本脳炎などによるウイルス性髄膜炎には特効薬はなく自然回復を待たなければならない。腰椎穿刺の検査によって、髄膜炎の原因の細菌が見つかると抗生物質が有効な化膿性髄膜炎と診断されるが、抗生物質の効かないウイルス性髄膜炎でも自然軽快することが多い。髄膜炎の最大のリスクは脳炎や脳炎後の後遺症へと症状が悪化することなので、途中経過の綿密な観察と症状に見合った適切な対応が必要になる。

posted by ESDV Words Labo at 14:31 | TrackBack(0) | す:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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