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2008年08月02日

[社会学(sociology)]

社会学(sociology)

社会学(sociology)は社会科学の一分野であるが、あらゆる社会現象や社会関係を研究対象にできるという性格を持つので、社会科学と社会学との方法論上の境界線は必ずしも明快ではないという意見もある。社会学は『社会現象・社会構造・社会関係・社会変動』など社会的な共同生活に関係するありとあらゆるものを研究対象にしているが、個別科学としての独立性を強化するために一つの研究論文の中では、特定の対象と方法論を定めるということを重視している。古典的な社会学では『同時代の社会事象を的確に認識するための概念・理論の創出』を目的にしていたが、現在では仮説演繹法(分析)と帰納推測法(総合)を駆使しながら、客観データ(統計学的根拠)に基づく社会科学としての社会学の構築が求められている。

社会学は社会現象の実態や推移を分析し、社会現象や社会関係のメカニズム(因果関係)を解明するという意味では『実証科学』としての性格を持つが、それと同時に秩序志向的な社会規範を探求するという『規範科学』としての側面も併せ持っている。

社会学では『個人の行動・個人間の相互作用・家族のダイナミズム』といったミクロ・レベルの研究だけではなく、『社会共同体・社会構造・社会変動・社会規範』といったマクロ・レベルの研究も行うが、社会学の主要な役割は『社会事象のメカニズムの解明』『社会現象の変化の予測(未来における社会変動の予見)』に集約することができる。

社会学という学術分野の用語を考案したのは、18世紀のフランスの実証主義者オーギュスト・コント(1798-1857)であり、コントは合理主義・産業主義の観点から社会学を『社会秩序・科学進歩・産業発展』に役立つ学問として定義していた。

マクロ社会学のことを『社会システムの社会学』といい、ミクロ社会学のことを『社会的行為の社会学』と呼ぶが、実証主義的に社会学を定位したコントの後を継いだのはエミール・デュルケームやマックス・ヴェーバー、ゲオルク・ジンメルなどである。『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『職業としての学問』をはじめとして膨大な著作があるドイツの社会学者マックス・ヴェーバー(1864-1920)は、社会学の黎明期における巨人として、政治学・経済学・宗教学・法哲学など広汎な学術領域に非常に大きな影響を与えた。

社会学の方法論はカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスの共産主義思想(社会主義思想)にも非常に大きな影響を与え、20世紀のマルキシズムによる共産主義革命の時代は、社会学が『実験科学』として応用された時代だったとも言える。プロレタリア独裁(共産党一党体制)・計画経済・官僚制度などに基づくソ連が解体したことで、壮大なマルキシズム・共産主義の社会実験は膨大な犠牲や損失と共に挫折したが、現在の実証科学的な社会学は政治思想や政治イデオロギーとは明確な線引きを行っている。実証主義的な社会学では、社会調査法という統計的手法によって研究が進められ、社会調査や対象の観察によって入手したデータ(資料)を数量化・指標化して統計的な処理を行うという手順を踏む。

第二次大戦後のアメリカでは、タルコット・パーソンズやロバート・キング・マートンが登場して社会システム論を前提とする『機能主義社会学』を構想するが、社会学分野に統一理論を打ち立てようとするパーソンズの学術的理想は実現することがなかった。第二次世界大戦後のヨーロッパでは、近代社会の成立を批判的に反省するテオドール・アドルノやユルゲン・ハーバーマス、アクセル・ホネットといったフランクフルト学派のポストモダン思想が影響力を増し、マルクス主義の構造主義的な哲学性に注目するルイ・アルチュセールなどがフランスで活躍した。



posted by ESDV Words Labo at 10:02 | TrackBack(0) | し:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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