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2008年08月18日

[社会的性格(social character), 社会的勢力(social power)]

社会的性格(social character)

『特定の社会集団』を構成する人の大多数に共通して見られる性格行動パターンのことを『社会的性格(social character)』と呼ぶが、文化結合的な社会的性格は両親の養育態度や帰属社会の慣習・役割規範などによって作られていく。社会的性格とは、社会適応的あるいは文化結合的な性格構造のことであり、社会的性格に特徴的に見られる『認知・行動様式』はその個人が帰属する社会集団の『文化様式・社会規範』から切り離して考えることはできない。社会的性格とは一般に、その社会集団や共同体の仕組みに適応するために身に付けられた学習的な性格構造であり、政治・社会・経済のシステムが大幅に変革されるとそれに合わせて社会的性格の特徴も変化するのである。

社会的性格の構成要素には『民族性(日本人らしさ)・国民性(アメリカ国民らしさ)・社会的性差(ジェンダー)・階級性(上流階級としての所作・大衆文化)・職業意識(医師や技術者としてのアイデンティティ)・年齢(大人らしさ)』があるが、基本的には『社会一般がその個人に求めてくる属性・態度』を内面化したものが社会的性格である。

社会規範や他者の要求を内面化することによって社会的性格が形成されていくが、精神分析的な社会学者であるエーリッヒ・フロムは、『個人の社会適応の促進』によってリビドー(精神的エネルギー)が社会的役割や機能的行動(生産活動)に振り向けられると語った。学校の教育や両親のしつけによって、『社会規範・道徳原則』が内面化していくが、その内面化によって『役割期待の受容・社会的義務や生産活動の遂行』が可能になってくる。

社会経済システムが正常に機能していて『個人の自由・権利』を抑圧する危険がなければ、適応的な社会的性格の獲得はその人の人生のメリットになるが、反対に、非人道的な政治体制や搾取的な経済システムが存在する場合には社会的性格の形成によって『社会従属的な思考・生活様式』が育まれてしまう恐れもある。社会的性格には『社会慣習・政治権力への従順性(無抵抗性)』という特徴があるが、下部構造(経済活動)が社会的性格を作り上げるだけではなく、抑圧された社会的性格が下部構造に変革の刺激を与えることもある。

エーリッヒ・フロムは『下部構造(経済的な生産活動)・社会的性格・上部構造(政治的なイデオロギー)』が相互に影響を与え合うという仮説を立てたが、『個人の欲求(個人の生活)』『社会全体の欲求』の矛盾・対立が一定以上に大きくなると、社会変革・政治経済改革のための革命的な運動が起こると考えていた。

社会的勢力(social power)

社会的勢力(social power)とは、社会関係や社会的価値観、政治活動、軍事的プレゼンスに影響を与えられる可能性のある集団勢力のことであり、社会的勢力と認定される集団は『権威』『強制力(権力)』かのどちらかを持っている。『権威』とは、政治的活動や社会的行動に『正統性(レジテマシー)』を付与する力のことであり、社会的に承認された権威によって、他者を自発的に服従させたり特定の意志決定を正しいと思わせることができる。

『強制力(権力)』とは、他者の自発的な同意や了解とは無関係に、強引に他者を服従させる力のことであり、近代国家における最大の強制力は賞罰権を兼ね備えた『国家権力(公権力)』である。権威は『イデオロギー・大学教育・公的資格・宣伝広告・社会的地位』などによって確立され、強制力は『軍事警察・物理的な強制力・賞罰権・人事権・司法権』などによって担保されている。



posted by ESDV Words Labo at 19:45 | TrackBack(0) | し:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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