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2008年12月30日

[ダーウィンの進化論とダーウィニズム,ネオ・ダーウィニズムの思想:1]

ダーウィンの進化論とダーウィニズム,ネオ・ダーウィニズムの思想:1

イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin, 1809-1882)が提起した『進化論(進化説)』に由来する一連の思想・概念・世界観を総称して『ダーウィニズム(Darwinism)』と呼んでいる。チャールズ・ダーウィンが『種の起源(1859年)』の著作を通して主張した進化論とは、『自然選択(自然淘汰)』『突然変異』という二つの基本原理に基づいて生物の種が進化(変化)するという仮説である。

ダーウィニズムという用語そのものは、1860年にダーウィン理論の同調者であるトマス・ヘンリー・ハクスリーが作成したものであるが、初期のダーウィニズムはマルサスの人口論ハーバート・スペンサー適者生存の概念(社会進化論的なスキーム)を包摂することもあった。

『自然選択(自然淘汰)』というと強い個体(種)が弱い個体(種)に生存競争で勝利して滅ぼしていくという『弱肉強食』のイメージが思い浮かべられやすいが、進化論でいう自然選択とは『より良く環境に適応した個体』が生き残っていくという説明原理であり、個体同士の物理的な強弱は必ずしも重要なものではない。

ダーウィニズムの基本的な世界観として、個別のすべての種は『共通祖先』を持つという前提があり、ヒトもチンパンジーもゴリラも祖先をどんどんと遡っていけばどこかの過去の時間軸で共通祖先に辿り着くことになるのである。

ダーウィニズムの『すべての生物には共通祖先がいる』という世界観にもたれやすい誤解として『現在、同時代に生きているサルが人間へと進化した』というものがあるが、現在地球上に生きているチンパンジーやボノボ、ニホンザルといったものは『ヒトの祖先』ではない。今いる猿科の動物が人間に進化したのではなく、ヒトと類人猿(猿科)の祖先を遡っていった時に、何百世代、何千世代前に共通祖先が居たと推測されるというのがダーウィニズムの世界観である。

キリスト教の聖書に基づく世界観・道徳観では、人間や動物は個別に創造された『神の被造物』であるという前提があるので、人間と他の動物が共通祖先を持つという『ダーウィニズムの進化論』と厳しく対立することがある。一神教の聖典・伝承・教会に基づく世界観では、人間(ヒト)は『神の似姿』として創造された動物とは根本的に異なる『特別な存在』ということになっており、他の動物が進化して人間になったというようなダーウィニズムの仮説は受け容れられないことがある。

その為、キリスト教の伝統が強いアメリカの一部の地域(保守的な地域)ではダーウィニズムを否定する宗教的な『創造説(創造科学)』が科学的な理論とされることがあり、学校教育で『進化論』を教えるべきか『創造科学』を教えるべきかが政治的な議論になることもある。『聖書』に書かれている記述をそのまま客観的・歴史的事実と信じるような保守的なプロテスタントの信仰者をファンダメンタリスト(キリスト教根本主義者)と呼ぶこともある。



posted by ESDV Words Labo at 09:50 | TrackBack(0) | た:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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