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2009年01月10日

[少年法(juvenile law)と少年審判(juvenile inquiry and determination)]

少年法(juvenile law)と少年審判(juvenile inquiry and determination)

少年法(juvenile law)は、明治33年制定の『感化法』を起源とする刑事訴訟法の特則を規定する法律であり、現行少年法は1922年制定の『旧少年法(大正11年法律42号)』を戦後期の昭和23年に全面改正して成立したものである。少年法は家庭裁判所における『保護更正(再教育処遇)』を主たる目的として、少年犯罪・非行少年に対する法的処遇(保護・処罰)について定めたものであり、成人に『刑事処分(刑事罰)』を与える刑法とはその立法趣旨が異なる。

しかし、自公連立政権の賛成によって『少年法等の一部を改正する法律(平成19年法律68号)』が平成19年(2007年)11月に施行されることになり、少年院送致の対象年齢が『14歳以上』から『おおむね12歳以上』に引き下げられた。少年犯罪の凶悪化・低年齢化が引き下げの理由とされたが、戦前戦後の少年犯罪の統計データからはそういった低年齢化の傾向は読み取れないという批判も強くある。同法案に対しては、日本弁護士連合会や自由法曹団などが反対の姿勢を表明していた。『少年法等の一部を改正する法律』による変更点は以下のようなものである。

1.少年院送致の下限年齢の引き下げ(14歳→おおむね12歳)

2.触法少年に対する警察官の調査権限規定を明文化

3.保護観察中に遵守事項違反をした場合に少年院送致が可能になる

4.重大事件に対する国選付添人制度を新設

少年法で定める少年とは『20歳未満の者』であり、児童福祉法で定める『18歳未満の者』を少年とする規定とは異なるので注意が必要である。その為、18歳〜19歳の少年法上の少年は、児童福祉法が規定する『児童相談所・児童自立支援施設』には入所(送致)できない。14歳以上の少年が違法行為(触法行為)を行った場合には『家庭裁判所』に送致されて処遇が決定されるが、14歳未満の少年が違法行為を行った場合には原則として『児童相談所』に送られることになり重大事件でない限りは少年審判を受けない。

少年法が対象とする非行少年は『犯罪少年(14歳以上〜20歳未満で犯罪を犯した少年)・触法少年(14歳未満で法に触れる行為をした少年)・虞犯少年(ぐはんしょうねん,犯罪を犯すおそれが高い少年)』の3つの分類に分けられている。虞犯少年というのは刑法に触れる犯罪は犯していないが、暴走族等の不良集団(反社会集団)に参加していたり、喫煙飲酒・家出癖などによる補導歴があったりする少年のことである。少年法には『18歳未満の犯罪少年』に対して刑罰を科す場合には、死刑は無期刑に軽減、無期刑は懲役10〜15年の有期刑に軽減するという規定がある(少年法51条)。また、責任能力・判断能力が未熟とされる『14歳未満の少年』については法的には犯罪者と認定されず、原則として家庭裁判所ではなく児童相談所に送致される。

犯罪を犯した非行少年の処遇は、14歳未満でも14歳以上でもまずは『警察』において調査が行われ、そこで『児童相談所』に送致するか『家庭裁判所』に送致するかが決定される。重大事件の場合には、児童相談所から家庭裁判所へと送られることもあるが、家庭裁判所は通常の裁判所とは異なり刑の判決を下す司法機関ではない。家庭裁判所における処遇は『少年調査官による試験観察・少年鑑別所での心身状態の調査(最大8週間)・少年審判の必要性の判定』であり、少年審判によって非行少年の『保護手続き』に基づく処遇が決定される。成人の犯罪者は『刑事手続き』としての刑事裁判・刑事処分を受けることになるが、少年犯罪を起こした非行少年は『保護手続き』によって要保護性が判定され保護処分を受けることになる。

家庭裁判所が少年法に基づいて実施する『少年審判(juvenile inquiry and determination)』では、以下のような審判が下される。

1.不処分

2.保護処分(保護観察・児童自立支援施設送致・少年院送致)

3.知事または児童相談所長送致(18歳未満)

4.検察官送致・逆送致(原則16歳以上だが14歳・15歳でも可能。『逆送』と呼ばれる少年犯罪では厳しい措置であり、裁判で起訴され少年刑務所で刑事罰を受ける可能性がある。殺人・強盗など罪状が悪質で社会的な悪影響が大きい重大事件に対して為される)

少年法の第一条では『この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年及び少年の福祉を害する成人の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする』という立法趣旨が述べられており、少年法の基本精神が『少年の健全育成・保護更正(保護教育主義)・教育的処遇(矯正教育)・少年福祉』にあることは明らかである。少年法は『司法的処遇・福祉的処遇・教育的処遇』の3つの側面を持っている。

posted by ESDV Words Labo at 05:29 | TrackBack(0) | し:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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