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2009年01月10日

[少年鑑別所・少年院(juvenile training school)・少年刑務所(juvenile prison)]

少年鑑別所・少年院(juvenile training school)・少年刑務所(juvenile prison)

[少年法の規定と家庭裁判所における少年審判]については前回の記事で説明した。家庭裁判所に送られた14歳以上20歳未満の非行少年は『不処分・少年院以外の保護措置・児童相談所送致』にならなければ、保護措置として『少年院』に送致されたり、少年法17条を根拠とする観護措置として『少年鑑別所』で詳細な調査・診断が行われたりする。少年鑑別所は法務省所管の施設であり、各都道府県庁所在地などに全国で52ヶ所(分所1ヶ所を含む)に設置されている。最大で8週間、非行少年を少年審判・処遇判定に必要となる鑑別調査を目的にして収容することができる。

少年鑑別所は刑務所のような刑事処分のための拘禁施設ではなく、『少年の資質(性格・生活歴・非行歴・家族関係・友人関係など)』をできるだけ科学的・客観的に鑑別してその後の処遇に役立てるための施設である。少年鑑別所では、少年が非行・犯罪に走るようになった原因や背景を綿密に調査するだけでなく、非行少年の更正教育や健全育成にとってどのような処遇が好ましいのかの指針となる調査書を作成する。少年鑑別所の調査は、医学、心理学、教育学、社会学その他の諸科学の専門知識に基づいて行われ、非行少年の保護更正にとって『最適な処遇』を決めるための基礎資料(参考資料)が作られるのである。鑑別の結果は『鑑別結果通知書』として家庭裁判所に送付されることになり、少年審判の参考資料にされたり少年院・保護観察所における指導方法や援助技術に応用されている。

少年鑑別所における調査診断は、『面接法(非行に至るまでの経緯や非行の要因の聴取)・心理検査(心理評価尺度)・行動観察・医学的検査・探索処遇(作業検査)』などによって行われ、鑑別結果通知書では少年の資質と非行との関連性や、現在の少年の問題点・心理状態、今後の処遇のあり方の方針が記述される。

少年院(juvenile training school)は家庭裁判所から『保護処分』を受けて送致された少年を収容する国立の施設であるが、刑事罰を目的とする刑務所とは異なり矯正教育を目的とする教育施設として位置づけられている。検察に逆送致されて刑事裁判で懲役・禁錮の判決を受けた16歳に満たない少年を、16歳になるまで少年院に収容することもあるが、こういった少年を『少年院収容受刑者』と呼ぶ。

少年院は保護教育主義に基づいて設置されている矯正教育施設であり、『規則正しい日常生活』と『善悪を分別し犯罪を反省するための道徳教育・矯正指導』によって非行少年の性格矯正(更正教育)・環境調整・社会復帰を目指している。少年院の分類には以下のようなものがある。少年院では生活指導だけではなく、通常の学校教育に準じた学科指導や職業訓練も行われており、担当の先生は法務教官と呼ばれる。

1.初等少年院……心身に著しい故障のない、おおむね12歳以上おおむね16歳未満の者を収容する。

2.中等少年院……心身に著しい故障のない、おおむね16歳以上20歳未満の者を収容する。

3.特別少年院……心身に著しい故障はないが犯罪傾向の進んだ、おおむね16歳以上23歳未満の者を収容する。ただし、16歳未満の少年院収容受刑者も収容できる

4.医療少年院……心身に著しい故障のある、おおむね12歳以上26歳未満の者を収容する。

家庭裁判所の少年審判では、罪状が悪質・重大な事件を起こした犯罪少年(原則16歳以上)を『検察官送致(逆送致)』することがある(少年法20条)が、検察官から起訴されて刑事裁判を受けると成人の犯罪者と同様に『禁固・懲役の判決』が出されることがある。禁固・懲役の判決を受けた少年を収容する施設が『少年刑務所(juvenile prison)』であるが、少年刑務所は刑事処分(刑事罰)のための施設であり、保護処分のために非行少年を送致する児童自立支援施設や少年院とは全くその設立趣旨や法的位置づけが異なる。少年刑務所には満26歳まで引き続き収容することができ、その後は一般の刑務所に身柄が移されるが、少年犯罪でなくても26歳未満の一般受刑者が収容されることがある。

posted by ESDV Words Labo at 06:22 | TrackBack(0) | し:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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