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2009年02月01日

[デカダンスの文学芸術の潮流(ユイスマンス,オスカー・ワイルド)]

デカダンスの文学芸術の潮流(ユイスマンス,オスカー・ワイルド)

デカダンス (仏:decadence) は一般に『退廃主義・享楽主義』と訳されるが、19世紀後期の象徴主義や耽美主義の影響を受けたフランス文学の運動・作家を指してデカダンス(デカダン)と呼ぶこともある。デカダンスの概念の起源は、18世紀に『法の精神』を著してフランス絶対王政を批判したモンテスキュー(1689-1755)にまで遡るとされるが、19世紀フランスで世紀末の退廃精神を作品へと昇華した文学者を『デカダンスの始まり』とする見方もある。

19世紀フランスでデカダン派の代表と目されていたのが、ジョリス=カルル・ユイスマンス(Joris-Karl Huysmans, 1848-1907)であり、イギリスでは耽美主義的・官能的な戯曲(演劇)・小説を数多く書いたオスカー・ワイルドがデカダンスに分類されている。オスカー・ワイルドの戯曲では新約聖書に題材を取った妖艶でミステリアスな王女サロメが登場する『サロメ』が有名だが、長編小説の『ドリアン・グレイの肖像』は近年、光文社古典新訳文庫で新たな翻訳が為されている。オスカー・ワイルドの童話『幸福な王子』も日本では良く知られた作品の一つである。

ランボーやヴェルレーヌ、マラルメに影響を与えて『近代詩の父』と称されるシャルル・ボードレール(1821-1867)も、その作品『悪の華』の中でデカダンスに内在するダンディズムについて言及している。デカダンスの聖典とされるのは、ジョリス=カルル・ユイスマンス(Joris-Karl Huysmans, 1848-1907)の『さかしま(1884)』であるが、ひとりの青年デ・ゼッサントの人生・生活の堕落のプロセスを描いた『さかしま』は、日本でも澁澤龍彦(しぶさわたつひこ,1928-1987)によって翻訳の仕事が為されている。

デカダンスの文芸潮流をヨーロッパ世界に拡散させるのに貢献した人物として、芸術の本質は『生産』ではなく『破壊』であると喝破したアナトール・バジューがいるが、アナトール・バジューは『ル・デカダン(1886-1889)』という雑誌を発行している。デカダン派は一般的にキリスト教的な博愛精神・倫理的価値観を嫌ったが、デカダン派の中には古代ローマ帝国末期や『暗黒の時代』とされる中世ヨーロッパ(キリスト教世界)に退廃的な夢想を広げる者もいた。デカダンスの概念は一般的に、耽美主義的・幻想主義的な作風を誇りとする象徴派の詩人・作家に付与されることが多いが、その芸術的な系譜はロマン主義や自然主義、哲学のニヒリズム(ショーペンハウアーやニーチェ)の中にあったとされる。

『破壊・否定』を中核的理念とする芸術潮流としては、『ダダイズム』というものもある。『ニーチェの超人思想・力への意志』にも、『神の死』を前提とする否定的・悲観的なニヒリズムの雰囲気が見られる。



posted by ESDV Words Labo at 00:53 | TrackBack(0) | て:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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