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2009年03月24日

[アーサー・ヤノフの絶叫療法(primal therapy)]

アーサー・ヤノフの絶叫療法(primal therapy)

カウンセリングの代表的な効果には『カタルシス効果・バディ効果・アウェアネス効果』の3つが想定されている。カタルシス効果とは、『抑圧された感情・欲求』を言語化して思いっきり発散することで得られる感情浄化の作用である。バディ効果とは、『信頼できる他者(カウンセラー)』と一緒にいることで得られる支持的・安定的な作用のことである。アウェアネス効果とは、自分ひとりでは気づくことが出来なかった『無意識的な感情・感覚・考え』などにカウンセリングのセッションの中でハッと気づくことであり『自己洞察・気づき』として知られている。

アーサー・ヤノフが考案した『絶叫療法(primal therapy)』は、心の中に溜まっているマイナスの感情や思考を大声で絶叫して吐き出すという典型的なカタルシス療法である。心理療法の技法や理論としての精緻さ・複雑さなどは殆どなく、自分の内面に抑圧している感情・欲求を如何に思い切って勢い良く放出するかということに重点が置かれている。元々、絶叫療法は『幼少期に受けたトラウマ(心的外傷)・母性剥奪(ネグレクト)』の治療法として考案されたものであり、『子ども時代の自分・つらかった時期の自分』になりきって退行しながら絶叫することで回復的なカタルシスを得ることができる。

絶叫療法に関連するアーサー・ヤノフの邦訳書には『原初からの叫び―抑圧された心のための原初理論 (1975年)』があり、トラウマや問題の発生した原初状態に退行して思いっきり泣き叫ぶことで『鬱積している負の感情・思考』を外部に発散することができるとしている。発達早期における幼児虐待や育児放棄(ネグレクト)、母性剥奪(愛情不足)などによって精神的問題を抱えているクライアントに絶叫療法は実施されていたが、最近では実際に絶叫療法のみを単独で行うことは殆どない。どちらかというと、臨床的なカウンセリング分野よりも自己啓発セミナー・教育研修の分野で、絶叫療法が用いられてきた歴史のほうが長くなっている。

絶叫療法は『個人精神療法』よりも『集団精神療法(エンカウンターのようなグループセラピー』で用いられることが多く、集団療法に参加しているメンバーが順番で『自分のつらかった記憶や体験・人間関係』について大声で泣き喚きながら話していくという形を取る。いずれにしても、絶叫療法は強烈なインパクトと直接的な実践性のある技法であり、人によっては感情的刺激やショックが強すぎて動揺してしまうことがあるので、『幼少期トラウマ』を抱えるすべてのクライアントに有効というわけではない。

現在では、機能不全家族で養育されて『親の愛情・支持』を十分に受け取れなかったという自覚を持つ『アダルトチルドレン』の問題も絶叫療法の適応症と言える。しかし、両親の愛情や思いやりを感じることが出来なかったアダルトチルドレンには、極端に感情的刺激の強い『絶叫療法』よりも『支持的療法』『インナーチャイルドワーク(退行催眠+イメージ療法)』が用いられることが多い。



posted by ESDV Words Labo at 03:04 | TrackBack(0) | せ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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