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2009年04月03日

[交流分析のセルフ・リペアレンティング(self-reparenting)]

交流分析のセルフ・リペアレンティング(self-reparenting)

エリック・バーンが創始した交流分析(TA:transactional analysis)には自我状態という概念があり、人間の心を『親(P)・大人(A)・子ども(C)』の3つの自我状態(心理機能)に分けて考える。親(P:Parent)は更に『批判的な親(CP:Critical Parent)』『擁護的な親(NP:Nurturing Parent)』に分けられ、子(C:Child)は更に『自由な子ども(FC:Free Child)』『適応的な子ども(AC:Adapted Child)』に分けられるが、人間の性格や考え方(認知)にもっとも強い影響を与えるのは『親(P)の自我状態』である。

『親(P)』の自我状態は『幼少期の親の養育態度(育児方針)・価値認識』が反映されることによって内面化されるが、『批判的な親(CP:Critical Parent)』が強すぎると厳格で規律的になり過ぎて自分で自分を責めて追い込みやすくなり、『擁護的な親(NP:Nurturing Parent)』が強すぎると自分にも他人にも甘くなり過ぎて厳しい現実社会(社会活動)への適応に困難を来たしやすくなる。そのため、交流分析では『P・A・Cの自我状態のバランス』をチェックするエゴグラムの心理テストを行った後に、『非機能的・非合理的なP(親)の自我状態』を変容させることになる。

交流分析のセラピストであるミュリエル・ジェイムスが開発した『古い親の非機能的な自我状態』を改善するための技法が『セルフ・リペアレンティング(self-reparenting)』である。セルフ・リペアレンティングの技法では『古い親(P)』の特徴・傾向を分析して、『自分を苦しめるネガティブな親・非機能的な親』を薄めたり排除したりするが、『自分に役立つポジティブな親・機能的な親』はそのまま残して現実適応に活用していくことになる。セルフ・リペアレンティングとは『親(P)』の自我状態を更新して、『適応的・支持的な親(良い親)』を内面世界に再構築していく作業のことである。

シフという心理療法家の『再育児法』では、『クライアントのネガティブな親』『セラピストのポジティブな親』に置き換えていったが、ミュリエル・ジェイムスの『セルフ・リペアレンティング』『自己の想像する理想的で機能的な親のイメージ』を段階的に内面化していく自律性(自発的な想像力)に特徴がある。セルフ・リペアレンティングを主導するのは、現実検討能力や合理的思考(利害判断)などを担当する『大人(A:Adult)』の自我状態であり、『子ども時代に親から受け取れなかった要素(愛情・保護・厳しさ・善悪判断・感情の制御)』などを大人(A)が中心になって古い親(P)に統合していくのである。

過去の子ども時代の親子関係の中で『不足していた要素・欠けていた体験』などを分析していき、今ある『古い親(非機能的な自分を苦しめる親)』『新しい親(機能的で自分を支えてくれる親)』へと置き換えていく作業を進めていく。その過程には、アダルト・チルドレンのカウンセリングで実施されることがある『インナー・チャイルドワーク』の手法が応用されることもあり、その場合には精神内界で『親・大人・子どもの自我状態の対話』を行い、親に子どもを共感的にケアさせることになる。

『心の中にいる子ども(インナー・チャイルド)』の傷つきや不安、自己嫌悪に優しく寄り添ってケアしてあげることが大切になる。更に、『子ども時代の自分の満たされなかった欲求・願望』に気づいて、その欲求の不満(寂しさ・孤独・不安感)を改めて満たしてあげることで、『新たな親(機能的・適応的な親)』が内面に形成されることになる。交流分析のセルフ・リペアレンティングでは、『傷ついた子どもの自我状態のケア・回復』『自分を苦しめるネガティブな親の自我状態の再構築』がインナーチャイルド・ワークを通して同時並行的に進展していき、『安定した精神構造』へと自我状態が更新されていくことになる。

posted by ESDV Words Labo at 09:43 | TrackBack(0) | せ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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