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2009年05月13日

[ソシオグラム(sociogram)とソシオメトリー(sociometry)]

ソシオグラム(sociogram)とソシオメトリー(sociometry)

人間関係のネットワークや種類・濃度を図表化したものを『ソシオグラム(sociogram)』というが、ソシオグラムには『社会的(形式的)な地位・役割・立場を図表化したもの』『個人的(内面心理的)な関係・感情・信頼感を図表化したもの』とがある。外見的・形式的に誰もが観察できる地位(役職)や立場を元にしたソシオグラムは『組織図・役職図』などのかたちで作成することができるが、内面的な感情や個人的な関係の密度(好き嫌いの強さ)などを元にしたソシオグラムを作成するには、ソシオメトリーや心理検査などの専門的技法を活用する必要がある。

ソシオグラムでは『個人』は丸や点で表現され、『個人を示す丸』と『個人を示す丸』を矢印や直線(実線・点線)で結びつけることで関係性が表現されることになるが、マニュアル的な画一のルールのようなものは存在しない。個人と個人を点線や実線で結んでいくソシオグラムでは複雑な人間関係や大勢の人間関係を整理して表現することが難しいので、最近では数学のグラフ理論やマトリックス図(Excelの表のような行・列のある図)によってソシオグラムが描かれるようになっている。

マトリックス図では『行』と『列』を用いて、『個人の属性・特徴・関係』などを表現することができるので、重要項目の一覧性と絞り込みがしやすくなるのである。マトリックス図は、事象Aと事象Bの2項目を扱う二元表の『L型マトリックス図』が一般的に用いられるが、3項目を同時に扱える『T型マトリックス図・Y型マトリックス図・C型マトリックス図』というものや4項目を同時に扱う複雑な構造を持つ『X型マトリックス図』もある。ソシオグラムでマトリックス図を用いる場合には、『膨大な人数のデータを処理しやすい』や『記号方向グラフに転換することが可能』といったメリットがある。

ソシオグラムの作成に用いられる『ソシオメトリー(sociometry)』というのは、人間関係を数量的に測定する研究法のことであり、集団の成員の『他の成員に対する選好(好き嫌い)』や『ある価値基準に対する賛否(賛成・反対)』を測定して組織集団の再構成を図るものである。ソシオメトリーの人間関係についての数量的研究をベースにして、各成員の選択・排斥(好き嫌い)の関係をマトリックス図に整理したものを『ソシオマトリックス(sociomatrix)』と呼ぶ。

インターネットが普及した現代社会では、自分の対人関係をウェブ・サービス上で可視化できるmixi(ミクシィ)やfacebookといった『SNS(ソーシャル・ネットーワーキングサイト)』が人気であるが、このSNSもソシオグラムあるいはソーシャルグラフ(対人関係のグラフ化)の一種と考えることができる。mixi(ミクシィ)には『自分の友達・知人(=コミュニケーションしたい相手)』をマイミクとして登録する機能があるが、このマイミクの数やマイミクとのコミュニケーション頻度・濃度がそのままソーシャルグラフとしての機能を果たしているのである。

mixiのマイミク機能は、『メンバーの被選択数・被排斥数・相互選択数・相互排斥数』を測定する『ソシオマトリックスの考え方』を取り入れていると解釈することができるが、マイミクになるということは『相互選択(お互いに相手を認める)』ということに近い意味を持つ。

mixiのマイミクのような相互選択で結ばれているメンバーを集めたソーシャルグラフ(ソシオグラム)のことを『集団構造マトリックス』と呼ぶこともある。その意味では、ソーシャルグラフ(ソシオグラム)の実践的な最先端の研究は、ウェブ上の各種のサービス(特にSNSの機能開発)に移っているという現実を指摘できる。



posted by ESDV Words Labo at 22:57 | TrackBack(0) | そ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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