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2009年05月28日

[ダイアナ・コンプレックス(Diana complex)]

ダイアナ・コンプレックス(Diana complex)

ダイアナ・コンプレックス(Diana complex)というのは、周辺環境のストレスや夫との夫婦関係の危機によってメンタルヘルスの不調が伝えられていた英国の故ダイアナ皇太子妃と関係した概念ではなく、『女性の中の男性性』を象徴するローマ神話のダイアナに由来するコンプレックスである。ローマ神話に登場するダイアナ(ディアナ)は、ローマ神話の原型(モチーフ)となったギリシア神話では狩猟と純潔性の神アルテミスのことを指している。

アルテミス(ダイアナ)は高潔な処女神であり、『狩猟・純潔』を司る山野・森林の神でもあるが、太陽神アポロンは雷神ゼウスを同じ父に持つ兄妹とされている。アルテミス(ダイアナ)は『狩猟の神』なので百発百中の弓矢を携えており、動物を従えた勇敢で敏捷な女神の姿として描かれることが多いのだが、『純潔(処女性)の神』なので異性との恋愛や性的交渉は許されていないという宿命を背負っている。

アルテミスはポセイドンの息子で『最高の猟師・戦士』として知られるオリオンと恋に落ちかけるのだが、兄のアポロンの謀略によってアルテミスは愛するオリオンを自らの弓矢で射殺してしまう。このアルテミスの悲劇は、ゼウスがオリオンを星座として天空に引き上げるきっかけとなったエピソードでもある。

ダイアナ(アルテミス)は発達早期(幼児期〜児童期)に生じることがある『女性の男性になりたいという願望』を象徴するイメージであり、『成人男性の持つ権力性・指導性・権威性などへの欲望(憧憬)』がその根底にある。精神分析の創始者であるS.フロイトは、男女の生物学的差異(sex)を認識する『性自認』が形成される『男根期(4〜6歳の幼児期)』において、女性が男性のようになりたいという『男根羨望』が生じると考えたが、ダイアナ・コンプレックスはこの男根羨望が思春期以降にまで遷延したものと解釈することもできる。

男性のように振る舞いたいというダイアナ・コンプレックスが発達過程で上手く解消されないと、『女性としての成熟・女性ジェンダーの受容(帰属社会で女性らしいとされる言動や生き方)』に大きな抵抗感が生じる可能性がある。しかし、女性の雇用機会・社会進出などに恵まれた男女同権社会であれば、ダイアナ・コンプレックスを適応的に活用することで企業内の昇進や政治的な地位の獲得といった『社会経済的成功』に結び付けられることもある。

ダイアナ・コンプレックスでは、『女性性の発達・男性に対する性的関心』が停滞することが問題になるが、女性らしい身体の成熟を拒否するようになると『摂食障害(拒食症・過食症)』を発症するリスクが高くなり、女性的な異性への関心を拒絶すると『性恐怖症・後天的要因による性同一性障害』などの問題が起こってくることもある。



posted by ESDV Words Labo at 09:32 | TrackBack(0) | た:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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