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2009年07月03日

[テクノクラシーと資本主義社会における『技術官僚・経営者・専門家・労働者』の機能的連携]

テクノクラシーと資本主義社会における『技術官僚・経営者・専門家・労働者』の機能的連携

アメリカの経済学者・社会科学者であるヴェブレンは、富裕層(有閑階級)の贅沢で華やかな消費を『見せびらかしの消費・衒示消費』として否定的に捉えたが、『技術者と価格体制(1921)』の中で技術者支配論を展開している。専門的技能を持つ技術者集団のことをヴェブレンは『ソヴィエト』と呼んでいる。

制度派経済学の始祖としても知られるヴェブレンは、市場で利益を追求する『営利企業(ビジネス)』よりも社会に必要な財(製品・モノ)を生産する『産業(インダストリー)』のほうを重視していた。そして、経済社会の安定運営に必要な『社会資本』の各部門は、専門的知見と合理的計画に基づいて管理されなければならないという社会主義的な思想を持っていた。

T.ヴェブレンの技術者支配論に影響を受けたのが、ラディカルな科学技術主義を抱いてた技術者のハワード・スコットであり、スコットは『科学による統治(技術力による社会制御)』を掲げた急進的なテクノクラシー運動を展開したものの挫折した。

『思想・歴史・民族』よりも『科学・技術・合理』を優先した政治を行うべきだというテクノクラシー運動自体は斬新なアイデアに基づくものであり、フランスのテクノクラシー運動である『計画主義』や1935年の日本で設立された日本技術協会の基本理念に影響を与えた。世界各地で起こったテクノクラシー運動には、科学の進歩と技術の向上によって、経済社会や国家体制がドラスティックに発展していくはずという合理的な見通しがあったのである。

バーリとミーンズによって営利企業(株式会社)の『経営』『所有』の分離が説かれたが、経済成長(営業利益の増大)を目指す資本主義社会においては、生産手段を活用して財を生産する『経営者の能力・ビジョン』のほうが『資本家の資本(=金銭の蓄積)』よりも重要になってくる。

アメリカの経営学者ジェームズ・バーナムの著した『経営者革命(1941)』では、生産手段と労働力を効率的に活用して富を増大する『経営者』こそが、第二次世界大戦後の資本主義社会における支配階級であることが示唆されている。

有能で分析力と決断力のある『経営者』は、強いリーダーシップを発揮して専門家(技術者)と労働者を適切に働かせることができ、各種の生産手段を効率的に活用しながら、『社会の富の増大』『労働者の雇用(失業の防止)』という資本主義社会における極めて重要な責務を果たすことになる。

国家・産業レベルのテクノクラシー運動は、『高級技術官僚・有能な経営者・高度な専門家(技術者)・勤勉な労働者』が有機的かつ機能的に結合する時に最大のパフォーマンスを発揮することになる。成功したテクノクラシー(技術による支配)では、『社会の富(豊かさ)』を飛躍的に増大させることができ、科学技術の進歩と生産効率の上昇によって『人々の生活水準』も同時に向上させると考えられている。

テクノクラシーに興味がある方は、[テクノクラシーと技術官僚の支配体制]も読んでみて下さい。

posted by ESDV Words Labo at 22:07 | TrackBack(0) | て:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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