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2009年07月13日

[近代科学のテクノロジーと人間のテクニック1:技術論から見る科学と技能]

近代科学のテクノロジーと人間のテクニック1:技術論から見る科学と技能

テクノロジー(technology)テクニック(technic)も共に『技術』と訳されるが、テクノロジーのほうには『機械技術・科学技術・情報技術』といった意味合いが強く含意されている。テクニック(テクニーク)のほうは『技芸・技能』と訳しても通じるような身体的・古典的な技術のことであり、人間が古代の昔から本来的に持っている『実践的な技術』のことを意味する。

技術哲学の哲学史の文脈では、『テクニック(技術)』『観照・認識』の対義語として位置づけられ、実際に行動して何らかの目的に到達するための技能・営みの総体が技術とされている。

対象・事物の本質(特徴)について知的に認識したり理解したりすることが『観照・認識』であり、対象・事物に働きかけて生活を豊かにしたり目的を達成することが『テクニック・技術』である。人間の実践的なテクニックは古来から『戦争(防衛)・宗教(儀礼)・道路や建物(建設)・通信や連絡(郵便)・衣食住の生活・医療や健康法・娯楽や遊び・集団の管理や社会規範』などさまざまな用途・目的のために使われてきた。

テクニック(技術)は『活動(行動)の具体的方法・道具の製作・管理のシステム』などに分類することができるが、テクニックの基盤にあるのは『原材料の入手と加工』である。人類は古代の昔から『木材・石材・金属材』といった材料を自然界から入手して用途に応じてさまざまな加工を施してきたのであり、それらの加工された原材料を活用して多種多様な道具・建設物・機械・武器を製作することによって人類の文明は進歩してきたのである。

加工された原材料に対してテクニックを駆使することで、『道具や機械の製作・装置や設備の建設』が可能になり、こういった便利な装置・設備を所有する人物に富・権力が集まる。そして、製作された道具や機械を管理・活用することで、更に複雑で高度なテクニックが生まれてくることになる。テクニックは『原材料の入手・加工→道具や機械の製作→効率的生産のための装置や設備の開発』という3つの段階を循環することで、歴史的に高度に洗練されていき、複雑かつ専門的な各分野のテクノロジー(科学技術)へと発展していったのである。

なぜ、人間は『テクニック(技術)』の開発と進歩に注力し続けたのだろうか、そのことはテクニックの活用状況とテクニックの目的性を考えることで明らかになってくる。テクニック(技術)の大きな目的は『道具・機械の製作による効率性(生産性)の向上』『人間の負担・苦痛の軽減』であり、テクニックを習得したり洗練させたりすることには『自己実現のクリエイティブな満足・快楽』を感じられるメリットもある。

人間の生活文化と文明社会はテクニックの恩恵を限りなく受けてきたが、『自然界の物理的な法則・理論』を実験や観察を通して解明する自然科学の登場によって、テクニック(個人単位の技術)はテクノロジー(科学技術)へと進展していった。

posted by ESDV Words Labo at 08:19 | TrackBack(0) | て:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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