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2009年08月02日

[トーテミズム(totemism)・アニミズム・シャーマニズムの原始宗教:3]

トーテミズム(totemism)・アニミズム・シャーマニズムの原始宗教:3

トーテム(totem)とはアニミズム(物活説)が発展したもので、『野生の動物・植物・事物』が、自分たちの『部族集団・血縁集団の共同体』と特別な関係を持っていると信じる宗教感情のことである。トーテム(動植物・事物)を信仰の対象として崇拝する原始的な宗教形態のことを『トーテミズム(totemism)』といい、トーテミズムの信仰を物体化したものとして有名なのがアメリカ・インディアンが多く建設したトーテムポールである。

文化人類学者のレヴィ=ストロースは、トーテミズムの目的を『部族集団の心理的統率や軍事的団結』などに機能主義的に求めたが、トーテミズムがなぜ信仰されるようになったのかの理由については様々な仮説が提起されている。

レヴィ=ストロースはトーテミズムに関連する書籍として『今日のトーテミズム』『野生の思考』を出しているが、精神分析の創始者であるジークムント・フロイトも、原始宗教であるトーテミズムが持つ倫理性・規範性に着目して『トーテムとタブー』という論文を書いている。

未開社会や古代文明の宗教形態として隆盛したトーテミズムだが、『トーテム』という言葉の語源は、北アメリカの五大湖付近に原住していたインディアン・オジブワ人の言葉にあるとされる。

イギリスの文化人類学者W.H.R.リヴァース(1864-1922)は、トーテミズムを『心理的要因・社会的要因・儀礼的要因』の観点から考察したが、トーテミズムの持つ『外婚制(同じトーテムを持つ個人同士の結婚の禁止)』『摂食禁忌(自分や集団の所属するトーテムの動植物を食べることの禁止)』に注目した。

トーテミズムでは特定の社会集団や個人に動植物種などの名前が割り当てられ、この動植物のことを『トーテム』と呼ぶことになる。トーテムと社会集団・個人との間には親族関係(婚姻関係)が仮定されており、同じトーテムに所属する個人の結婚(内婚)が規制されて、異なるトーテムを持つ集団の個人と結婚する『外婚』が奨励されている。トーテムは共同体や個人の『守護神・崇拝対象』としての役割を担っているので、トーテムになっている動物・植物を食べることが規制されることもある。

トーテミズムはアニミズム・シャーマニズムの延長線上にある原始宗教として解釈できるが、それと合わせて人間の『二元論的思考・イデア論的世界観』の象徴的な現れとして理解することもできる。つまり、『人間・集団』と『動物・植物(トーテム)』を対応させることによって、世界の二項対立的な分節と整理を無意識的に行っているということであり、ある種の認識論的な『秩序形成原理』をトーテミズムに認めることができるように思う。



posted by ESDV Words Labo at 08:29 | TrackBack(0) | と:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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