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2009年09月04日

[ターミナル・ケア(terminal care, 終末期医療),エリザベス・キューブラー・ロスの死の受容段階]

ターミナル・ケア(terminal care, 終末期医療),エリザベス・キューブラー・ロスの死の受容段階

患者にとって『死の接近』は生命を喪失する恐怖・不安と理不尽さを感じる対象であり、『なぜ、自分が死ななければならないのか?なぜ、自分だけがこんなに苦しい思いをしなければならないのか?』という不満や怒り、孤独を感じることが多くなる。家族や恋人、友人にとっても『大切な愛する人の死』は、耐えがたい悲哀や喪失、絶望を感じるつらい体験であり、容易には相手の衰退や死を認めることができないという意味で『厳しい現実』である。

ターミナル・ケアは医師・看護師・家族や知人・介護士・ソーシャルワーカー・心理職・ボランティアなどが、患者の状態・気持ちの情報を共有しながら協働する『リエゾン精神医学の全人的医療』の考え方に基づいて実施される。

『精神的苦痛・死の不安』を十分に癒すために大切なことは、患者が死ぬ前に会いたい・話したいと思っている人ときちんと会うこと、納得できるまで話し合い自分の思いを伝えておくことである。特に、患者の人生の中で深いつながりのあった『家族・恋人・友人(旧友)』とは、これまでの人生の思い出や人間関係、患者の意志・気持ちについて何度も納得がゆくまで話し合い、お互いの心と思いを通い合わせることが『死の恐怖の緩和・死の現実や悲しみの受容』を促進することになる。

ターミナル・ケアでは、患者の『精神の自由』と『人格の尊厳』、『家族・友人とのコミュニケーション機会』をできるだけ保障して上げることが重要であり、患者自身の身体的苦痛だけではなくて、心理的な不安と恐怖、怒り、悔しさ(納得できない気持ち)を段階的に緩和していけるような総合的ケアを提供しなければならない。多くのターミナル・ケア(終末期医療)に実際に携わり、大勢の患者の死を看取ってきた人物に、エリザベス・キューブラー・ロス(Elisabeth Ku"bler-Ross, M.D.,1926-2004)という女性の精神科医がいる。エリザベス・キューブラー・ロスは、ターミナル・ケアの臨床経験に基づいた『死生学(タナトロジー)』で、以下のような死の受容段階(死の受容に関する心理的変容)の仮説を提起している。

1.否認と孤立の段階……まさか自分が本当に死ぬわけはないと否認(懐疑)して、精神的に周囲から孤立していく段階。

2.怒りの段階……何で自分だけが死ななければならないのだ、こんな理不尽な仕打ちを受けなければならないのだと思う怒りの段階。

3.取り引きの段階……何とかして病気を治して生き延びたいと考え、何らかの『交換条件(お金・懇願・謝罪・名医探しなど)』を用いる取り引きを行って、どうしても助かる方法がないと知る段階。

4.抑うつの段階……『死の現実・病気の悪化』を回避する方法や手段がないことを知って、気分が落ち込み深刻な抑うつ感(無力感・絶望感)に沈む段階。

5.死の受容の段階……どのようにしても差し迫る死の現実からは逃れられないことを心から深く理解し、その死の現実を受け容れながら残された人生を懸命に前向きに生きようと決意する段階。

posted by ESDV Words Labo at 13:32 | TrackBack(0) | た:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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