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2009年10月05日

[腸炎ビブリオ(vibrio parahaemolyticus)]

腸炎ビブリオ(vibrio parahaemolyticus)

腸炎ビブリオ(vibrio parahaemolyticus)は、細菌性食中毒の原因菌の一つである。ビブリオ属の好塩性のグラム陰性桿菌の一種であり、この細菌に感染すると『腸炎ビブリオ食中毒』を発症する。日本における食中毒では、腸炎ビブリオとサルモネラ菌の感染による症状が圧倒的に多い。

1950年に大阪府で『シラス食中毒事件(白子干しによる集団食中毒)』が発生して272名の患者と20名の死者が出たが、この原因を解明する調査・研究の過程で大阪大学の藤野恒三郎(ふじの・つねさぶろう)によって腸炎ビブリオが発見された。腸炎ビブリオは元々海中に棲息している細菌であり、塩分濃度2〜4%の環境において繁殖しやすいという特徴を持ち、腸炎ビブリオで汚染された魚介類を食べることで食中毒が発症する。

魚・貝・タコなどの生食を通して感染することが多いので、刺身や寿司・乾物などを経由して感染するケースが想定され、近年では低カロリーでヘルシーな寿司(刺身)のブームが起きている欧米でも注意が必要になっている。魚を捌いた後のまな板から感染することもあるので、生魚を調理した後にはまな板・調理器具をよく洗って殺菌することが大切である。

腸炎ビブリオ食中毒は、6〜9月という暑くて食品が腐りやすい季節(海水温も高くなって菌が繁殖しやすい季節)に好発する。細菌で汚染された食品を摂取すると、約6〜12時間程度で嘔吐や吐き気、激しい腹痛・頭痛、止まらない下痢などの症状が出てくる。感染部位は小腸なので、上腹部痛を訴えることが多いが、食中毒でなくても傷口からの感染(創傷感染・敗血症)を起こすこともある。

通常、特別な治療をしなくても2〜3日で食中毒の症状は自然治癒するが、薬物療法を実施するときにはニューキノロン系、ホスホマイシン系が第一選択薬の抗生物質となる。テトラサイクリンやカナマイシンといった抗生物質が用いられることもある。

腸炎ビブリオの感染を予防するためには、汚染された魚介類を食べないこと、できるだけ過熱してから魚介類を食べることが最も有用である。また、腸炎ビブリオは『真水・高温・冷却』に弱いので、魚介類を真水でしっかり洗ってから調理することや買ってきた魚はすぐに冷蔵庫に保存することが大切である。



posted by ESDV Words Labo at 13:52 | TrackBack(0) | ち:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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