ウェブとブログの検索

カスタム検索





2009年10月12日

[トランスパーソナル心理学(transpersonal psychology)と超心理学(parapsychology)]

トランスパーソナル心理学(transpersonal psychology)と超心理学(parapsychology)

トランスパーソナル心理学は『孤立した個人の限界』を超えて、個人と世界(宇宙)との統合的調和を目的とする心理学であり、個人を超えた実在(宇宙・地球・人類・生態系・神)と融合するような超越的体験を重視する経験主義の学問である。

トランスパーソナルは、そのまま『自己超越』という意味を持っている。個人を超えた実在とのアプローチや利己主義(エゴイズム)の超越を目的とする意味では、C.G.ユングの『普遍的無意識(集合無意識)』を前提とした分析心理学とも親和性を持っている。トランスパーソナル心理学の代表的な研究者・実践者には、スタニスラフ・グロフケン・ウィルバーがいる。

トランスパーソナル心理学は、西洋科学(科学的心理学)と東洋の宗教思想(仏教・禅宗)との統合を模索している心理学の領域であり、人間の成長の可能性を『自我意識の枠組み』ではなく『普遍的な存在(宇宙意識)の枠組み』で考えていくことで、個人超越的な自己実現を図ろうとする。トランスパーソナル心理学の研究者であるケン・ウィルバーは、『意識のスペクトラム』という精神発達論に基づいて、個人と宇宙意識(普遍的実在)を統合することを目標にする『インテグラル理論』を提唱している。

実験・観察を用いた自然科学の方法論で検証できない問題を取り扱う心理学分野をまとめて『超心理学(パラサイコロジー, parapsychology)』と呼ぶ。トランスパーソナル心理学も超心理学の一部と言えるが、超心理学が取り扱う対象・領域は非常に幅広いものであり、『テレパシー(精神的な遠隔通信)・サイコキネシス(念動力)・千里眼(遠隔的な視覚)・透視・読心術・第六感(超越的な感覚)』などの超能力も超心理学の研究対象となっている。最近、流行しているスピリチュアルな霊視・予言・お祈りなども超心理学の対象と言えるが、古典的な心霊現象・霊能力・各種の占いなどの仕組みの解明も取り扱うことがある。

超心理学の系譜は正統なアカデミックな心理学とは全く異なるものであり、超心理学の研究対象や超常現象などを科学的な方法で検証することは困難である。超心理学の仮説理論や実践法に基づく臨床心理学的な援助アプローチは、今のところ開発されておらず、スピリチュアルなセラピーや宗教療法・心霊療法などには客観的な効果があることは実証されていない。超心理学に基づくカウンセリングやセラピーは、プラセボ効果(偽薬効果)を含めて『信じる者は救われる』という傾向が極めて強いので、スピリチュアルなヒーリングや占いなどで『法外なセラピー料金』を請求してくるようなケースには注意が必要だろう。

その一方で、超心理学には『超越体験・救済原理・精神的な癒しと可能性』を求める人間の自己実現欲求に応えるという側面もあり、超心理学の適正な実践には、精神状態を安定させたり自己アイデンティティを確立したりといった一定の効果が期待されている。新興宗教・思想集団への勧誘や高額料金を請求する悪徳商法には十分な注意が必要であるが、個人単位の研究・思想・実践としては、超心理学の分野は『自己実現・精神の癒し・エコロジー感覚(自然との共生)』など多くの可能性を孕んだ興味深い分野としての側面を持つ。

トランスパーソナル心理学に興味のある方は、[トランスパーソナル心理学と自己超越・自己実現]の記事も合わせて読んでみてください。



posted by ESDV Words Labo at 19:37 | TrackBack(0) | と:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。