ウェブとブログの検索

カスタム検索





2009年10月21日

[心理臨床家(カウンセラー)の失錯・失敗を生みやすい要因]

心理臨床家(カウンセラー)の失錯・失敗を生みやすい要因

カウンセリング(counseling)では、言語的コミュニケーションや非言語的コミュニケーションを通して、クライアントの心理的問題の解決や精神状態の回復を促進する。心理療法(psychotherapy)では、クライアントの『精神病理の側面』に焦点を当てて、言語的コミュニケーションや各種の技法の適用を行いながら、クライアントの精神症状を改善することを目指す。

便宜的な定義では、カウンセリングは『健常なパーソナリティ』を持つクライアントの問題を対象にした対人援助技術であり、心理療法は『病的なパーソナリティ・精神障害』を持つクライアントの問題(症状)を対象にした治療的な技術となる。

カウンセリングや心理療法を実践する時には、カウンセラー(セラピスト)が犯しやすい典型的な誤り・失錯というものがあるが、それは以下のような項目にまとめることができる。以下のすべてが問題や失敗になるわけではないが、心理臨床家(カウンセラー)が果たすべき役割や実施すべき心理面接からズレてしまう恐れを持っている。

1.共感的な理解や受容的な肯定をクライアントに伝達することができず、ラポール(相互的な親愛感・信頼感)を形成することができない。

2.作業同盟(治療同盟)を締結することに失敗したり、インテーク面接(受理面接)でカウンセリングや心理療法の目的(クライアントの主訴の解決)を設定することができない。

3.クライアントに過度の質問や疑問をぶつけ過ぎて、カウンセリングのプロセスが『共感的な理解』ではなく『客観的な情報収集』に傾いてしまう。

4.カウンセラー(心理臨床家)の役割であるカウンセリング・心理療法を実施できず、精神科医のような『精神障害の学術的説明・医学的な原因探求・教育的な指導』などになってしまう。

5.クライエント中心療法を機械的に実践し過ぎることで、『クライアントへの返事』がオウム返しや意見を言わない傾聴ばかりになってしまい、クライアントに安心感・信頼感を与えることができない。

6.クライアントの性格や必要に応じて、『非指示的な態度』と『指示的な態度』を適切に使い分けることができず、クライアントを混乱させてしまう。

7.クライアントからのフィードバックを的確に解釈しておらず、『クライアントの主訴・希望』と『カウンセリングでやっている話題・作業』に大きなズレが生まれてしまう。

8.カウンセラー(心理臨床家)の価値観や信念を主張し過ぎてしまい、カウンセリングのプロセスが過度に啓発的になったり教育的になったりしてしまう。

9.極端に『批判的・指導的』な対応をしたり、反対に、極端に『受容的・非指示的』な対応をしたりすることで、『クライアントの問題の本質』から遠ざかってしまい、『自分の態度』ばかりが気になってしまう。



posted by ESDV Words Labo at 09:56 | TrackBack(0) | し:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック