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2009年11月07日

[通信分析・日記分析(correspondence therapy)とメールカウンセリング]

通信分析・日記分析(correspondence therapy)とメールカウンセリング

カウンセリングの心理面接では、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションを手段として用いることで、クライアントの心理的な問題(各種の心身症状)を改善していこうとする。しかし、クライアントの中には心理臨床家と直接的に向き合って話をすることが苦手な人もいて、言語的コミュニケーションだけでは、クライアントの心理状態や生活状況について十分な情報・理解を得られないこともある。

心理臨床家(カウンセラー)と対面して言語的コミュニケーションをすることが得意ではないクライアント、『転居・体調悪化・入院』など諸事情によって対面のカウンセリングを受けることが難しいクライアントに対しては『通信分析(correspondence therapy)・日記分析(diary analysis)』と呼ばれる補助技法が実施されることがある。

通常の対面カウンセリングは、カウンセラーとクライアントが『言葉(音声言語)』を用いてコミュニケーションすることで心理的問題(精神症状)の改善を模索していくが、通信分析(日記分析)ではクライアントの書いた『日記・手紙・エッセイ・詩文』などをカウンセラーが受け取って、その内容を分析しながらクライアントへの返信を書いていくのである。

『対面での言葉(音声言語)によるコミュニケーションの特徴』『テキスト(文字言語)によるコミュニケーションの特徴』には以下のようなものがあるが、それぞれ一長一短があるので『クライアントの性格・適性・文章力・希望』などを考慮しながら、どちらのコミュニケーションを重視するのかを判断していく必要がある。

対面での音声言語によるコミュニケーション(カウンセリング)の特徴

『表情・顔色・動作・声の調子』などによって、お互いの感情や考えがより的確に伝わりやすい。

相手が目の前にいて対面しているので、その場でリアルタイムのコミュニケーションを行うことができ、『自分の質問・疑問・会話』に対する反応をすぐに確認できる。

自分の真意を伝えるために『言い直し・表現の変更・発言の撤回』などができ、お互いの話を微調整することで、より正確なコミュニケーションを行いやすくなる。

テキストを用いた文字言語によるコミュニケーション(カウンセリング)の特徴

対面コミュニケーションでは緊張しやすいクライアントでも、落ち着いて自分の記憶や問題、感情をテキスト(文章)にしてまとめることができる。

その場限りの“ことばによる表現”では伝わりにくい『微妙なニュアンス・複雑な事情・話しにくい悩み』を、長文の文章や正確な文章表現によってより詳しく正確にカウンセラーに伝えることができる。

“話し言葉によるコミュニケーション”は、ICレコーダーなどがなければ『会話の内容・カウンセリングのプロセス』を保存することができない。しかし、“書き言葉によるコミュニケーション”は文章(テキスト)としてコミュニケーションの履歴が残るので、『会話の内容・カウンセリングのプロセス』を保存して何度でも繰り返し読み返すことができる。

通信分析や日記分析の理論・技法は、現在では『メールカウンセリング』として応用されることも増えているが、メールカウンセリングでは『クライアントとの信頼関係の構築』『誤解を生じないように自分の感情・考え方を伝えるだけの文章表現力』がカウンセラーに強く求められることになる。対面のカウンセリングが終結した後に、クライアントの分離不安を和らげるために『通信分析(メールカウンセリング)』によるアフターフォローが実施されることもある。



posted by ESDV Words Labo at 16:29 | TrackBack(0) | つ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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