t検定(t-test)とt分布:統計学的な仮説検定
F検定(F-test)とは、2つの“正規母集団のばらつき(母分散)”に差があるかどうかを検定する統計学的な検定法であるが、2つの“正規母集団の平均値(母平均)”に差があるかどうかを検定する方法として『t検定(t-test)』がある。t検定では『2つの集団の平均値に差がない』という帰無仮説を検証することになるが、計算したt値が既定の自由度における『t分布表の値』よりも大きければ、この帰無仮説が棄却されて『2集団間の平均値に有意差がある』という対立仮説が肯定されることになる。
統計学的な有意性は、実験群と対照群(統制群)を用いた比較試験などで検証されるが、二つの群の間に見られる差に意味があるのか偶然であるのかは『有意水準(危険率)』を指標にして判断される。
有意水準(危険率)とは、帰無仮説を支持する標本(サンプル)が母集団から抽出される確率であり、通常、有意水準α=0.05(5%)、α=0.01(1%)が設定される。通常は、t検定を実施する前に、『2つの母集団の分散に有意差があるか』を検証するF検定を実施しておき、2つの母集団の分散が等しい場合には、『分散が等しいときのt検定の公式』で平均値に有意差があるか否かを判断していく。
2つの母集団の分散に有意差がある場合には、『分散が異なるときのt検定の公式(ウェルチ−アスピンの方法・ウェルチのt検定)』で計算して平均値に有意差があるか否かを判断することになる。
『分散が等しいときのt検定の公式』も『分散が異なるときのt検定の公式(ウェルチのt検定)』も、少し複雑な公式になりHTMLでは表記できないので、[Wikipediaのt検定]を参照してみてください。自分の手と頭で計算するとかなり大変になってくるが、現在ではExcelや統計ソフトの関数機能ですぐに計算することが可能になっている。
t検定で、同一標本に対する2回の観測結果を比較して経時的な変化を測定するときには、『対応があるt検定』を実施することになる。反対に、経時的な変化を考えずに独立な2集団の平均値の有意差のみを検定するときには、『対応のないt検定』を実施することになる。

