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2009年12月08日

[精神分析の抵抗(resistance)]

精神分析の抵抗(resistance)

精神分析の心理療法を実施する時に、クライアントが精神分析の面接プロセス(セッションの進行)を妨害するような発言・行動をすることがあり、これを『抵抗(resistance)』と呼んでいる。S.フロイトが創始した精神分析の治療機序は『無意識の意識化(言語化)』であり、精神分析を用いた心理面接のプロセスでは、過去に無意識領域へと抑圧した『記憶・感情・欲求』を思い出させて言葉にしていくことが重視される。

『抵抗』とは、無意識の意識化(言語化)による心理的な苦痛や不安を回避するために起こる反応だが、簡単に言えば『自分が思い出したくない事柄・思い出すと不快感や苦痛感が高まる記憶』に抵抗するために様々な妨害・拒絶・虚言を行うことになる。クライアント本人は、自分が無意識の意識化を行うプロセスに抵抗しているつもりがないことが多く、いつの間にか精神分析家の質問に対して黙り込んだり違う話題に切り替えたりしているのである。

各種の精神疾患(神経症)の原因となっている『過去の幼少期の記憶・経験・感情・欲求』は無意識領域に抑圧されたり否認されたりしているのだが、この『抑圧された心的内容(自分自身が認めたくない過去の感情や記憶)』を思い出そうとすると、非常に強い苦痛や不安、抵抗感を感じることになる。つまり、心の奥深い無意識の領域に抑圧されている記憶内容の多くは、『幼少期の心的外傷(トラウマ)』と何らかの相関があると考えられているのである。

特に、後もう少しで過去の重要な体験が思い出せるのにという瞬間や、後もう少しであの時の生々しい感情を再現することができるのにという時に、無意識の言語化を妨害する『抵抗』が起こりやすくなってくる。

精神分析では『自由連想法・夢分析』といった技法を用いて、無意識の意識化を進めていくことになるが、その際には『心に思い浮かぶことはどんなことでも隠さずに話してください(どんなことでもありのままの気持ちやイメージを言葉にしてください)』という教示がクライアントに与えられる。

しかし、無意識の内容を自由連想や夢分析で探索している時に『抵抗』が発生すると、『自分のありのままの感情・思い出した事柄』を話すことが難しくなり、『こんな馬鹿げたことを話してもいいのだろうか・こんな些細な出来事の記憶を話しても仕方がない』といった話す内容の取捨選択が行われてしまう恐れがある。

抵抗には以下のような『外的抵抗・内的抵抗』の二つの種類があるが、クライアントに自分が抵抗していることを気づかせるような分析手法のことを『抵抗分析』と呼ぶ。『抵抗分析』『転移分析』と並んで、クライアントの無意識的な世界を理解するための精神分析の重要な技法とされている。

外的抵抗……心理面接に遅刻したり欠席したりする・精神分析家に攻撃的で挑発的な態度を取る・精神分析のセッションでした約束や宿題を守らないなど。

内的抵抗……自由連想や夢分析で沈黙するようになる・心に思い浮かんでいる内容をありのままに語らずに自分で編集したりする・無意識に関連する重要なテーマになってくると話題を変えようとするなど。

posted by ESDV Words Labo at 15:45 | TrackBack(0) | て:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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