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2009年12月14日

[精神分析の抵抗分析(resistance analysis)]

精神分析の抵抗分析(resistance analysis)

S.フロイト(1856-1939)が考案した精神分析のセッションでは、クライアントの心理的問題(精神症状)を解決するために、『転移(transference)』『抵抗(resistance)』という2つの心的現象の分析が重要になってくる。転移とは『過去の重要な人物(父母など)に向けていた感情・認知』を、現在のカウンセリング関係(人間関係)の中に投影することであり、クライアントが過去に抱いていた感情が『精神分析家(カウンセラー)』に向けられることが多い。

抵抗とは精神分析の心理面接(セッション)を妨害するあらゆる行動・発言のことであり、『無意識の意識化(言語化)』によって苦痛な過去や情動を思い出したくないという自己防衛によって抵抗が強化されることになる。『転移・抵抗』といった心理現象は、精神分析のプロセスの進行を妨げる作用を持つが、精神分析家は敢えて転移や抵抗にまつわるテーマ(話題)を取り上げて、クライアントに厳しい自己洞察(気づき)を迫ることがある。

クライアントの心理的問題を解決して精神症状を緩和するためには、『無意識の探索による意識化』を妨害する『転移・抵抗』について、クライアント自身に自己分析を深めさせる必要がある。転移分析や抵抗分析という精神分析の技法は、『転移の起源・抵抗の原因』をクライアントに気づかせるための技法である。転移分析では、なぜ分析家(カウンセラー)に対して『好意(陽性転移)・憎悪(陰性転移)』のような感情を持ってしまうのかを分析することによって、自分の過去の抑圧した記憶・感情をリアルに思い出していくことができるのである。

転移分析というのは、『現在のカウンセラーとクライアントとの関係』で湧き起こっている感情を分析する技法であり、その感情・気分の原点となっている『過去の重要な人間関係(親子関係)の記憶』を適切に想起させていくことが課題となる。抵抗には約束の時間に遅れてきたり無断で欠席したりする『外的抵抗』と、自由連想している心的内容をありのままに話せなくなる『内的抵抗』とがあるが、抵抗分析では『クライアントの無意識の意識化(言語化)を妨げている要因』について共感的な態度で話し合いを進めていくことが基本となる。

抵抗が起こる原因には『抑圧された記憶や感情を思い出したくない・分析家が自分の話したい話題や感情に適切に反応してくれない・心的外傷による心理的苦痛や不安感が大き過ぎる・分析家にこんなことを話しても良いかどうか迷ってしまう』などさまざまな原因が想定される。そして、精神分析のセッションを効果的に促進するための抵抗分析では、『抵抗している自分自身に気づくこと』『抵抗が起こっている意味・原因の理解』という二つの目標が極めて重要になってくるのである。

精神分析療法に興味のある方は、[精神分析の抵抗]も合わせて読んでみて下さい。

posted by ESDV Words Labo at 20:22 | TrackBack(0) | て:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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