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2009年12月22日

[心理学における適応(adjustment)・不適応(maladjustment)]

心理学における適応(adjustment)・不適応(maladjustment)

臨床心理学や精神分析で『精神の正常性・異常性』を判断する一つの指標として、『適応(adjustment)』がある。『適応』は自分が生活や活動をする『環境(environment)』に対して行われるが、環境には『対人関係・家庭生活・学校生活・職場生活(企業生活)・集団行動・物理的環境』などさまざまな要因を想定することができる。

環境に適応している状態とは、『環境(状況・他者・集団)に対して適切で有効な行動・反応ができている状態』のことであり、適応状態では『感情や気分の安定・自己効力感(セルフエフィカシー)・自己肯定感・ポジティブな周囲からの評価(認識)』などの特徴が見られることになる。人間が環境にスムーズに適応している時には、その環境から『肯定的なフィードバック(評価・反応)』を得ることができるので、精神状態が安定しやすくなり、自分に自信を持ってその環境に『居場所・アイデンティティ』を見つけやすくなると言える。

心理臨床やカウンセリングで問題(主訴)になりやすいのは『学校・職場・家庭への適応問題』であり、学校に不適応になれば『不登校・ひきこもりの問題』、職場に不適応になれば『失業・ニート(無職)の問題』、家庭に不適応になれば『離婚・DV(家庭内暴力)・児童虐待の問題』が起こりやすくなる。

カウンセリングで相談される心理的問題の多くには『環境不適応』が関係しているが、各種の精神疾患は『不適応』と同じではないものの、うつ病や不安障害、強迫性障害などの精神疾患を発症することによって、職場・学校・人間関係への適応力は大きく低下することが多いと言える。

環境に適応できなくなる『不適応(maladjustment)』とは、『環境(状況・他者・集団)に対して不適切で無効な行動・反応しかできない状態』のことであり、不適応状態では『感情や気分の不安定・無力感や抑うつ・自己不全感・ネガティブな周囲からの評価(認識)』などの特徴が見られることになる。

環境に適応していれば自分の目標を達成しやすくなり欲求も満たされやすくなるのだが、不適応状態に陥ると目標の達成が困難になるだけではなく、慢性的に欲求不満になって自己否定感(悲観的な認知)を持ちやすくなってしまう。

カウンセリング(心理療法)の重要な目的のひとつが『不適応から適応への転換』であり、環境不適応に陥っているクライアントの性格行動パターンを、支持的技法や分析的技法、認知的技法を用いて適応の方向へと変容させていくことを目指す。精神的ストレスや不適応の苦痛を回避して『自我の統合性・安定性』を守るために、各種の『自我防衛機制・適応機制(adjustment mechanism)』が無意識的に発動されることがある。

フロイトの末娘である精神分析家のアンナ・フロイト(Anna Freud, 1895-1982)が、『抑圧・否認・投影・逃避・退行・合理化・知性化・昇華』などさまざまな種類の自我防衛機制を発見して分類している。

posted by ESDV Words Labo at 05:28 | TrackBack(0) | て:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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