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2009年12月30日

[TPI(Todai Personality Inventory:東大版総合性格検査)]

TPI(Todai Personality Inventory:東大版総合性格検査)

東京大学文Vの教育心理学専攻の教室で、アメリカ・ミネソタ大学のS.R.ハサウェイ(S.R.Hathaway)とJ.C.マッキンレー(J.C.Mckinley)が開発したMMRI(ミネソタ多面人格目録)を参考にして開発された性格検査(パーソナリティ検査)が『TPI(Todai Personality Inventory)』である。TPIは『東大版総合性格検査』と翻訳されるように、MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory)と同じく人間の『性格特性・病理傾向・適応水準』などを網羅的かつ臨床的に分析することを目的にして開発されている。

『MMPI』は550問の質問項目から構成された信頼性・妥当性の確認された性格検査であるが、『はい・いいえ・どちらでもない』の三件法で回答する形式になっている。『TPI』も総合的な性格特性と精神病理傾向の分析を目的にしているので、500問というかなり多い質問項目から構成されている。MMPI(ミネソタ多面人格目録)もTPI(東大版総合性格検査)も、網羅的かつ臨床的な人格特性の資料目録を作成することを目的にしており、開発当初は『精神医学的診断の客観化・合理化』を目指していた。

MMPI・TPIは被検者の性格特性や精神症状、不適応行動、神経症傾向などを総合的に分析するのに役立つが、『精神病理の項目』が精神分析の神経症概念に準じており、現在のグローバルな診断基準であるDSM‐W‐TRやICD‐10に対応していないなどの問題もある。MMPIとTPIのもう一つの欠点は、500問以上という質問項目数が余りに多すぎて、質問紙法の心理テスト(性格検査)としては実施時間(検査時間)が長く掛かり過ぎるということが挙げられる。

東大の教育心理学教室で開発されたTPIは元々、『学生相談・学校カウンセリング』に臨床的・支持的に応用するために開発されたものであり、『心理臨床的・精神医学的な病理性』を問う項目だけではなくて、『学校適応上・環境適応上の問題』を問うような項目も含まれている。TPIで心理臨床的な病理判定に採用されている項目としては、『うつ病・ヒステリー・心気症・パラノイア・強迫神経症』などがあり、現代の科学的精神医学の疾病分類ではなく、S,フロイト以来の精神分析の病理概念が用いられている。

MMPIやTPIの質問紙法では上記のような性格傾向や病理性の有無を判定するための『臨床尺度』が設定されているが、それと合わせて、性格テストの結果がどれくらい的確に被検者の性格・病理傾向を分析しているのかを示す『妥当性尺度』も設定されている。

posted by ESDV Words Labo at 06:12 | TrackBack(0) | と:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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