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2010年05月31日

[難聴と伝音性難聴(conduction deafness)]

難聴と伝音性難聴(conduction deafness)

言語障害・聴覚障害とその治療に関連する項目として、[言語聴覚士・言語療法士(ST)の言語聴覚療法]を書いたが、聴覚障害の典型的なものとして『難聴(deafness)』がある。『難聴』というのは聴覚機能が低下して、人の話し声や物音が聞こえにくくなるという症状だが、難聴の主要な原因には『老化・耳鼻科系の疾患・精神的ストレス・先天的な器質的障害』などがある。

難聴には生まれつき耳が聞こえにくい先天的・生得的な聴覚障害もあれば、後天的な怪我・病気・ストレスによって耳が聞こえにくくなる後天的・環境的な聴覚障害もあり、騒音公害や騒音のある労働環境によって難聴が発生することもある。大音量のクラブハウスやヘッドフォンで音楽を長く聴いているなどの生活環境が原因で、耳が聞こえにくくなる難聴を『音響難聴』と呼ぶ。耳鳴りやめまい、ふらつきが生じるメニエール病によって難聴の症状が発生することもあり、他の耳鼻科系の疾患との重複に留意しなければならない。

難聴の科学的・数量的な基準は、健常者の平均値と比較して聴力が『30dB以上低下している状態』のことを難聴と定義しており、『100dB以上の大きな音』が聞こえない状態を『聾(ろう)』としている。耳が殆ど聞こえない聾は、特殊学級教育や障害者福祉の対象となるが、難聴は『耳が遠い状態』であり相手に大きな声を出してもらったり注意深く聴き取ろうとすれば、何とか周囲の音声を知覚することができる。

難聴の重症度は『軽度・中度・重度』に分類されており、障害の原因によって『伝音性難聴・感音性難聴・混合難聴』に区分されている。 『伝音性難聴』とは、外耳・鼓膜・中耳の障害が原因で発症する難聴であり、急性中耳炎のような中耳の炎症や事故による外耳や中耳の損傷などによって起こることがある。伝音性難聴は大きな声で話しかけてもらえれば聴こえることが多く、原因が特定しやすいという意味で比較的治療のしやすい難聴である。

『感音性難聴』とは、音の振動(音波)を知覚する内耳の感覚細胞の機能が低下していたり、感覚細胞から脳への信号伝達が正常に行われなかったりすることで発生する難聴である。感音性難聴は、聴力を司る感覚細胞の機能障害や脳内の情報伝達システムの異常だったりするので、直接的な治療法が発見されておらず基本的には医療で回復させることは困難である。

抗がん剤のような副作用の強い薬で、聴覚神経が破壊されて感音性難聴が発生することもある。自然な老化現象でも、蝸牛内部の有毛細胞が減少して感音性難聴になることがある。感音性難聴の中で、突然、片一方の耳だけが聴こえなくなる症状のことを『突発性難聴』と呼ぶことがある。

『混合難聴』というのは、伝音性難聴と感音性難聴の両者を併発している難聴、あるいは原因がどちらかはっきりしない難聴のことである。難聴の標準療法は『難聴の原因』が特定できる場合にはその原因を取り除くということであるが、原因が特定できない時には『ビタミン剤・精神安定剤(マイナートランキライザー)』などを、対症療法的なリラクセーションのために処方することが多い。それ以外の医学的治療としては、『血管静脈点滴法・中耳へのステロイド注射・星状神経節ブロック・高気圧酸素療法』などがある。

posted by ESDV Words Labo at 20:13 | TrackBack(0) | な:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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