テンダネス・タブー(tenderness taboo)と男性ジェンダー
タビストック研究所で精神分析や対人関係の研究をしていた分析家I.D.サティ(I.D.Suttie)が発見した男性心理の傾向性が『テンダネス・タブー(tenderness taboo)』である。タビストック研究所というのは、ロックフェラー財団のユダヤ資本やCIA(中央情報局)の諜報活動と深いつながりのある英米の総合研究所であり、その元々の母体は1947年9月に英国タビストック・クリニックのエリオット・ジャックスらが創設した研究機関だった。
莫大な資金力を有するタビストック人間関係研究所では、精神分析・精神病理学・臨床心理学など『人間の精神機能・行動選択・社会的相互作用』を解明するためのありとあらゆる研究が行われ、経済的なコンサルティングや人材開発、プロフェッショナル・デベロップメントなども同時に行われている。
タビストック研究所の最終目標は人間の心理や行動を技術的に制御する大衆操作(洗脳工作)だとも言われるが、世界各地の固有の地域文化をポップで自由なアメリカ文化を基準として、画一化・均質化させる『グローバリズム』にも関与していると噂されることもある。
I.D.サティの発見したテンダネス・タブーというのは、父権社会(男性中心社会)の男性ジェンダーに基づく『優しくて温かい共感感情の抑制』と関係するタブーである。
男性の優位性を強調する父権社会では、男の子に対する幼児教育・道徳教育で『男は決して泣いてはいけない・男は他人に弱さや小心さを見せてはいけない・女々しい態度を取ってはならない』といった規範を教えられることが多い。そして、その影響によって、『女性のような優しさ・温かさ・共感』を表現することに抵抗感・恥ずかしさを感じるテンダネス・タブーが形成されやすくなるのである。
テンダネスタブーは『男らしさ・女らしさ』という旧来的な二分法のジェンダー(社会的性差)によって作り出されるが、現代ではジェンダーの中性化や男女同権の進展によって、かつてよりも『男性の優しい感情・温かく共感的な態度』が社会や女性から高く評価されるようになっている。
国や地域、民族、伝統、宗教などによって、テンダネスタブーを感じる男性の割合は変わってくるが、カウンセリングでは共感的な理解や無条件の肯定的受容が重要になってくるため、カウンセラーはテンダネスタブーに囚われない優しさや受容性の感情表現を積極的に行っていかなければならない。

