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2006年03月22日

[アイディアライズド・セルフ(idealized self)],[アイデンティティ(identity:自我同一性・自己同一性)]

アイディアライズド・セルフ(idealized self)

客観的な事実や自己の感情体験との矛盾が生じやすい『観念的な自己概念(自己認知)』のことをアイディアライズド・セルフと呼ぶ。

融通の利かない硬直したアイディアライズド・セルフのままに行動し続けていると、環境不適応や情緒不安定といったマイナスの状況に自分を追い込んでしまうこともある。

不適応なアイディアライズド・セルフの形成は、認知理論でいう『自己否定的で強迫的な認知の歪み』とも密接に関わっている。自己概念とは、『私は○○のような人間である』『私は○○といった特徴や理想を持っている』といった自己に対するイメージや認識のことである。理想的な自己の生活状態や対人関係のイメージとして、アイディアライズド・セルフをうまく用いれば、自己啓発的な効果を期待できることもある。

強い義務感に縛られて仕事一筋で頑張り続けた人が、燃え尽き症候群のような抑うつ感と無気力がのしかかってくるような疲憊状態に陥ることがある。

『自分を心身の限界状況まで追い込むような仕事への過度な責任感と自己の安楽の放棄』は、固定観念にも似たアイディアライズド・セルフから生まれてくる。そういった時には、周囲の人たちの期待や評価を取り入れすぎて、自分で自分の欲求や感情に気付き難くなっていることが多い。

過度な責任感によるプレッシャーと極度の疲労感を感じているときには、『自分が本当にやりたいことは何か?』『自分に今、必要な行動は何か?』を自省してみると良い。『〜しなければならない』という自分だけのルールに束縛されすぎずに、適度な休息や娯楽を取り入れながら仕事や課題をこなすようにしよう。

アイデンティティ(identity:自我同一性・自己同一性)

アイデンティティとは、『自分は、何者であるのか?』という人間の原初的で根源的な問いかけの答えとしての『自己同一性』のことである。

その自分の存在意義の確認にも関わってくる自問に対して毅然と、『私とは、○○であり、自分は、今ここにある自分以外の何者でもない』と応えられる状況を『自己アイデンティティの確立』という。『自分は自分である』という明瞭な自己同一性を安定して保てていれば、将来に対する不安や人生に対する無気力、職業生活に対する混乱を感じる危険性が低くなる。

自己アイデンティティは、通常、一人の孤独な状態では確立することが出来ず、他者との相互作用や社会的な活動による属性(職業・地位・評価)の影響を強く受けて段階的に確立されてくることが多いものである。社会的行動や社会的属性(国家・民族・地位)によって自己の存在意義や役割行動を強く自覚する形のアイデンティティを、社会的アイデンティティと呼ぶこともある。

精神分析学者で、心理社会的発達理論を提唱したエリクソン(E.H.Erikson)は、アイデンティティ確立を『青年期の発達課題』とした。また、アイデンティティ確立という困難な発達課題に立ち向かう青年期には、アイデンティティの拡散や混乱といった精神的危機に陥る危険性も高いとした。

アイデンティティには、国家・民族・言語・帰属集団・職業・地位・家族・役割などの社会的な属性への帰属・関係によって自己認識する『社会的アイデンティティ』と実存的な存在形式(私は私以外の何者でもなく唯一無二の存在であるという実存性)によって自己認識する『実存的アイデンティティ』に大きく分けられる。

エリクソンによると、アイデンティティは、明瞭な自己意識が、過去から現在までの時間的連続性に支えられ、幼少期からの自分と現在の自分が同一の自己であるという記憶の一貫性に支えられているという。

これを『自己の一貫性』といい、自分は他の誰でもなく自分として生きる他はないとする『自己の独自性(唯一性)』と共にアイデンティティを構成している。

アイデンティティとは、存在意義を求めてやまない人間精神固有の特性の現れであり、青年期を越えてもなお私たちは絶えず『自分は一体何者であるのか』の問いに対する答えを、様々な場面や人間関係を通して模索していくことになるだろう。

posted by ESDV Words Labo at 22:52 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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