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2006年03月28日

[愛着(attachment)],[アイディアライズド・セルフ(idealized self)]

愛着(attachment)

ボウルビィは、児童精神医学の領域で、母子のアタッチメント理論を提唱して乳幼児の精神発達を論じた。

愛着(アタッチメント)とは、特定の対象(母親など)やモノに対して形成される強い情緒的な結びつきである。アタッチメントは、人間の発達初期において、生存維持と不安軽減のために形成される環境適応的な反応である。

それと同時に、アタッチメントは、人間の孤独感を和らげて基本的安心感を育むために必要な行動であり情緒である。

乳幼児は、『泣く・微笑む・発声・後追い』などの情緒的な発信行動で、自分の不快や欲求を養育者(主に母親)に訴える。その情緒的な発信行動に対して、マザリングともいわれる素早く適切な反応(ミルクを与えてくれる・おしめを変えてくれる・スキンシップをとってくれる・優しく抱いてくれる)を返してくれる大人に対して、乳幼児はアタッチメントを形成することになる。

乳幼児は強いアタッチメントを感じている発達段階(共生期)から弱いアタッチメントを感じている発達段階(分離・個体化期)へと成長していくが、母親や父親は小学生の年代までは安全基地としての心理的役割を明確に示すケースが多い。

ハヴィガースト(R.J.Havighurst)は、発達の順序性(離乳・歩行訓練・トイレットトレーニング・言語獲得)を挙げたが、順調に健康的な心身の発達を成し遂げる原動力となるのが『重要な養育者に対するアタッチメント』ということができよう。

アタッチメントがどのような特性と強さをもって形成されているかを確認するための実験的方法として、エインズワース(M.D.S.Ainsworth)が考案したストレンジ・シチュエーション・メソッド(strange situation method)がある。

アイディアライズド・セルフ(idealized self)

客観的な事実や自己の感情体験との矛盾が生じやすい『観念的な自己概念(自己認知)』のことをアイディアライズド・セルフと呼ぶ。

融通の利かない硬直したアイディアライズド・セルフのままに行動し続けていると、環境不適応や情緒不安定といったマイナスの状況に自分を追い込んでしまうこともある。

不適応なアイディアライズド・セルフの形成は、認知理論でいう『自己否定的で強迫的な認知の歪み』とも密接に関わっている。自己概念とは、『私は ○○のような人間である』『私は○○といった特徴や理想を持っている』といった自己に対するイメージや認識のことである。理想的な自己の生活状態や対人関係のイメージとして、アイディアライズド・セルフをうまく用いれば、自己啓発的な効果を期待できることもある。

強い義務感に縛られて仕事一筋で頑張り続けた人が、燃え尽き症候群のような抑うつ感と無気力がのしかかってくるような疲憊状態に陥ることがある。

『自分を心身の限界状況まで追い込むような仕事への過度な責任感と自己の安楽の放棄』は、固定観念にも似たアイディアライズド・セルフから生まれてくる。そういった時には、周囲の人たちの期待や評価を取り入れすぎて、自分で自分の欲求や感情に気付き難くなっていることが多い。

過度な責任感によるプレッシャーと極度の疲労感を感じているときには、『自分が本当にやりたいことは何か?』『自分に今、必要な行動は何か?』を自省してみると良い。『〜しなければならない』という自分だけのルールに束縛されすぎずに、適度な休息や娯楽を取り入れながら仕事や課題をこなすようにしよう。

posted by ESDV Words Labo at 07:57 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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