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2010年07月25日

[交流分析のドラマ的交流(dramatic transaction)]

交流分析のドラマ的交流(dramatic transaction)

交流分析ではエゴグラムの性格分析を用いて、他者とのコミュニケーション(相互作用)のパターンを分析するが、そこには『本音と本音の交流』ではない形式のコミュニケーションが見られる。『対立・不安・緊張・不快』を避けて、相手との対人関係に無難に適応するために、自分の『本当の感情・思考・価値観』を隠蔽した自己欺瞞的なコミュニケーションパターンが形成されることがあるが、これを『ドラマ的交流(dramatic transaction)』と呼んでいる。

ドラマ的交流という概念の考案者は、九州大学教授で催眠療法の権威であった池見酉次郎(いけみ・ゆうじろう)と交流分析の研究で功績を残している杉田峰康(すぎた・みねやす)であるが、“ドラマ的”という語感には“自分の人格・感情・態度を演じる”といった意味が含意されている。交流分析で自分と他者を意識的・無意識的にある程度偽って、『表層的な適応・平穏な人間関係』を目指すコミュニケーションのことをドラマ的交流と言う。

ドラマ的交流をしているか否かについて本人は自覚がないことが多いのだが、習慣的あるいは強迫的に繰り返されるドラマ的交流は、以下の6つの種類に分類することができる。ドラマ的交流は必ずしも非適応的なコミュニケーション(自他にとっての悪い結果)に結びつくわけではなく、『現実的な社会環境・対人状況』においては、無意識的にドラマ的交流を行ったほうが返って良い結果(円滑な人間関係)につながることも多い。

また、全ての対人コミュニケーションは多かれ少なかれ『ドラマ的な要素』を持っていて、他者と対峙する時に『完全な本音・本心』を持ち続けることは不可能であると言っても良い。

1.共感的交流……相手の立場・心境に対する思いやりによって、自分の対応・発言内容を変えていくコミュニケーション。

2.相補的交流……自分の長所で相手の短所を補い、相手の長所で自分の短所を補ってもらうようなギブ&テイクの円滑なコミュニケーション。

3.風刺的交流……相手について婉曲的な遠まわしの表現を用いたり、間接的な比喩によって自己表現をしたりする斜に構えたコミュニケーション。

4.功利的交流……結果としての利益を大きく出来るように計算して行う利己的要素の強いコミュニケーション。

5.防衛的交流……精神分析の自我防衛機制(抑圧・投影・否認・合理化など)を用いて、自分の自我が傷つかないように身構えているコミュニケーション。カウンセリング(心理療法)におけるカウンセラーとのコミュニケーションで見られることが多い。

6.脚本的交流……自分の人生を大まかに規定する無意識的な脚本(筋書き・計画)に従ったコミュニケーション。幼少期の親子関係の歪んだやり取りや自分の可能性を否定する禁止令が影響していることが多い。



posted by ESDV Words Labo at 06:17 | TrackBack(0) | と:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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