ウェブとブログの検索

カスタム検索





2010年08月09日

[S.カープマンのドラマの三角形(drama triangle)]

S.カープマンのドラマの三角形(drama triangle)

エリック・バーンが考案した交流分析には、『表層的(建前的)な感情・考え』をやり取りして強迫的にコミュニケーションするドラマ的交流というものがある。このドラマ的交流の一つの類型として、役割的な態度を演じながらお互いにネガティブなラケット(不快な感情)を手に入れることになる『ゲーム(game)』というコミュニケーション形態がある。ゲームはコミュニケーションの後に必ずと言ってよいほど、『不快な感情・ネガティブな後味の悪さ・自己嫌悪(自己否定)』をもたらすところに特徴がある。

『ゲーム』の交流は相手を自分の思い通りにコントロールしようとする意図によって始まることが多いが、これは相手の人格性や主体性を無視した操作的・支配的なコミュニケーションであり、ゲームが思惑通りに展開する時には自分と相手が『特定の役割行動』を演じるような形式になりやすい。このゲームの役割行動的・役割演技的な要素に気づいた交流分析家のS.カープマン(S.Karpman)は、ゲームのコミュニケーション構造(交流形式)を図式的に理解するために『ドラマの三角形(drama triangle)』という概念を提起した。

S.カープマンがゲームを図式化した『ドラマの三角形』では、コミュニケーションの参加者はそれぞれ以下の3つのどれかの役割を無意識的に演じることになってしまうとされる。

犠牲者……自分が誰よりも不幸でありいつも損な役回りばかりさせられているという自意識を持った役割。『自分の人生は苦しみと悩みで覆われていて救いがない・自分はいつも人から嫌われていじめられたり仲間はずれにされたりする・どうせ自分なんて何をしたってダメな人間なんだ』など、自分で自分を人生や社会、他人の受動的な犠牲者のように扱う自己否定的な役割である。

迫害者……自分が不幸なのは誰かのせいであり、自分はこれだけ苦痛を味わわせられているのだから、他者・社会を迫害するだけの権利を持つという自意識を持った役割。『お前のせいでこんな目にあったんだ・この責任や落とし前をどう付けてくれるんだ・今度俺をバカにしたら痛い目に遭わせてやる』など、自分を被害者の立場に置きながらも、人生や社会、他人に何らかの報復(仕返し)をしようとする他者否定的な役割である。

救助者……傷ついている人を助けようとしたり、悩みを抱えている人の話を共感的に傾聴して上げようとする自意識を持った役割。『あなたはそんなにつらい人生を頑張って生きてきたんですね・それはとても頭に来ることで許せないと思います・自分で良ければ話を聴かせて貰いますよ』など、苦悩や弱さを抱えた他者を何とか救助しようとする利他的な役割である。

ゲームの交流ではコミュニケーションをしている過程で、この3つの役割が入り混じったり、役割を色々と交替したりして、『混乱した状況・不快な気分・相手への怒り(不満)』などが形成されやすくなってくる。

ゲームの交流が『ラケット(ラケット感情)』を生み出しやすい由縁でもあるが、自分がゲームをしている時にどの役割を果たしているのかに自覚的になり、相手の反応や発言に合わせて自分の役割を適応的に使い分けられるようになれば、『非生産的なゲーム』のコミュニケーションから離脱できることもある。



posted by ESDV Words Labo at 07:04 | TrackBack(0) | と:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック