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2010年08月22日

[トランス状態(trance)と催眠療法(催眠暗示)]

トランス状態(trance)と催眠療法(催眠暗示)

催眠療法(hypnotherapy)をクライアントに実施する時には、『筋肉・呼吸のリラクセーション』を教示してリラックスした心身状態を整えていきながら、言語的な誘導暗示を行って精神症状を緩和していく。催眠療法の効果が現れやすいかどうかは、クライアントの催眠感受性(催眠暗示の受け容れやすさ)によって変わってくるとされるが、『筋肉のリラックス・安静な心理状態になる呼吸法』を適切に行うことができれば催眠の効果が格段に現れやすくなるのである。

筋肉のリラクセーションは『腕・足・首』など力の入れやすい身体部分に意識を向けさせて、段階的に少しずつその部分の緊張を弱めて力を抜いていくが、そのリラクセーションと深くゆっくりとした腹式呼吸法を合わせて行うことで催眠感受性が高まる。催眠感受性が高くなると、言語的暗示(催眠暗示)を受け容れやすい『トランス状態』と呼ばれる意識状態になりやすくなる。

トランス状態は『変性意識状態』とも言われることがあり、意識の覚醒度が低下して通常とは異なるぼんやりした意識状態が作られることを言う。意識水準(覚醒度)が低下しているので、外界との接触が弱まっており外部にある事物の知覚もしにくくなるが、最低限度の適応能力や条件反射は残っているので、他の人から見るとトランス状態なのか通常の意識状態なのかを見分けられないことも少なくない。

トランス状態は意識水準が低下してぼんやりと靄がかかったような精神状態のことであり、現実認識能力や環境適応能力も低下するので、外部(他者)からの呼びかけに適切な反応をすることができないこともある。その一方で、トランス状態にある人は自我防衛機制が弱くなって他人の言葉に対する抵抗力も弱くなるので、『他人の指示・誘導・命令』などに無抵抗で従いやすくなることがある(ただし、本当に自分が嫌なことやしたくないことについては拒絶できる程度の精神機能は残っており、何でも自由に暗示誘導ができるわけでは当然ない)。

人間の意識がトランス状態に入る原因としては、他者の作用によってトランス状態になる『催眠・暗示誘導・リラクセーション』があるが、それ以外にも自分の意志・希望によってトランス状態に入っていく『自己暗示・宗教信仰・スピリチュアリティ』などがある。感覚が遮断されたり単調な音楽・映像を見せられ続けたりといった『特殊な環境』によってもトランス状態が誘発されることがあるし、解離性障害・統合失調症・ストレス性障害などによる意識障害がトランス状態の原因になってしまうこともある。

トランス状態は催眠療法のように治療的な暗示や効果的な指示を与えて良い方向に利用することもできるが、『精神病症状・夢幻状態・恍惚状態(自己陶酔)』などによって自己判断能力が大きく低下してしまうこともあるので、トランス状態になった時の外出やコミュニケーションには一定以上の注意が必要である。



posted by ESDV Words Labo at 15:27 | TrackBack(0) | と:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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