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2006年04月14日

[アサーティブ・トレーニング(assertiveness training)]

アサーティブ・トレーニング(assertiveness training)

アサーティブ・トレーニング(assertiveness training,assertion training)とは、対人スキルと自己表現の向上を目的とする『自己主張訓練』のことで、自己と他者の相互的利益を実現するコミュニケーションの訓練のことを言う。

自己の感情や意見を肯定して、相手に強く主張するだけの訓練ではないので、アサーティブ・トレーニングは、他者の尊重を前提とした自己開示的な自己主張訓練といえる。具体的な技法としては、自己主張できない原因や状況に合わせたロールプレイ(役割演技をする模擬練習)ディスカッション(議題を決めた率直な議論)を行っていくことになる。

アサーティブ・トレーニングの理論家であるロバート・アルベルティは、アサーティブであることの前提として、『人間は他者を傷つけない限り、3つの権利を有する』と定義した。3つの権利とは、『自分が自分自身であること、率直な自己表現を出来ること、自己表現する自分に満足すること』である。

初めは、情動抑圧的な神経症患者(転換ヒステリー患者)に対する行動療法の一技法として開発されたが、1970年代のアメリカで、公民権運動やフェミニズム運動の熱気の高まりの中で自他を尊重するアサーティブネス(自己開示と他者尊重)が重視されるようになった。

それまで不当な差別的待遇を受けてきた黒人(ネイティブ・アフリカン)やインディアン(ネイティブ・アメリカン)は、それまで抑圧してきた感情や考えを率直に抑圧的な差別者に対して表現することが求められ、人権思想(人間の価値の平等性)を擁護する社会世論もそれを後押しした。

男性中心社会の中で抑圧されてきた女性が、男性と平等な社会的待遇を受ける為の女性解放運動(フェミニズム)の中でもアサーティブであることが強く求められる歴史の流れがあった。

アサーティブ・トレーニングは、自分の感情や意見を相手に素直に率直に伝えると共に、相手を不当に傷つけないコミュニケーションを学ぶ訓練でもある。その為、強い自己主張が出来ても相手を尊重する言動が出来なければ、アサーティブ・トレーニングの対象となる。

自分が相手に伝えたい内容を整理し、自分の感情や判断を信頼してそれを表現することを繰り返しロールプレイを通して練習していく。それと同時に、相手が自分に伝えようとしている感情や意見について共感的に理解できるような『肯定的な傾聴』も学んでいくことになる。

対人恐怖や社会不安、自信の欠如があって他者とのコミュニケーションが苦手な人、自分の意見や感情を表現できず抑圧してしまう人、相手の気持ちや立場に配慮できず相手を傷つけてしまう人に適した対人スキル向上のための訓練が、アサーティブ・トレーニングである。自己肯定的で他者受容的な認知をつくりあげることで良好な人間関係や上手な状況適応を実現することが出来る。

posted by ESDV Words Labo at 10:41 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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