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2010年10月13日

[認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioural Therapy)と認知理論]

認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioural Therapy)と認知理論

認知療法は『非適応的・非現実的な認知傾向』を自己肯定的で機能的な認知に修正していく技法であるが、認知療法に『行動療法のアプローチ(非適応的な行動パターンの改善)』を組み合わせた統合的な心理療法を認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioural Therapy)という。認知行動療法(CBT)は、現代の科学的な臨床心理学におけるスタンダードでポピュラーな技法であるが、実際の心理面接・心理療法のセッションにおいては認知療法と認知行動療法が厳密に区別されることは少ないとも言える。

認知行動療法(CBT)では、非機能的で悲観的な認知を修正していくための『認知的アプローチ』と非適応的で効果の乏しい行動を改善していくための『行動的アプローチ』との二つの技法が組み合わされて行われるが、実際の心理臨床の場面では『認知傾向が行動パターンに及ぼす影響』が重視されており、非適応的な認知を中心に取り扱って改善していく。物事が上手くいかなかった原因や自分に自信が持てない原因を何に求めるのかという『原因帰属の分析』を行って、自分自身の能力や努力が足りないから全てが上手くいかないというような『自責的・自己否定的な認知』を和らげたりする。

『自己への原因帰属』による自信の低下や無気力の発生に治療的アプローチをするものとして、D.H.マイケンバウム『自己教示トレーニング(自己教示療法)』があり、自己教示トレーニングでは『自己との内的な対話』を通して自己肯定的で問題解決に前向きに取り組めるような自己教示を行っていくのである。マイケンバウムは、『失敗したことやミスをしたことが事実であっても、その原因は自分の無能さや怠惰だけにあるわけではなく環境や偶然の要因も関係している』という現実的で問題解決を促進する認知を持つように勧めた。

人間の行動原理を解明する『行動理論』に対して、人間の認知的プロセスやその原理を解明しようとする『認知理論』があり、認知行動療法のベースには、外的刺激や客観的状況の意味をどのように解釈して受け容れるかという『認知理論』が関係している。認知理論は認知科学(認知心理学)の分野に包摂される仮説理論であり、脳内の情報処理プロセスや知識の獲得・変容に対して強い関心・研究意欲が注がれるようになっている。だが、心理臨床としての認知行動療法が最終的に目指すのは、『認知傾向の改善(考え方の変容)』だけではなく『不適応行動の改善(適応行動の獲得)』であることも忘れてはならないだろう。

posted by ESDV Words Labo at 19:25 | TrackBack(0) | に:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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