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2010年10月28日

[B.S.ブルームの認知領域(cognitive domain)とタキソノミー(分類学)]

B.S.ブルームの認知領域(cognitive domain)とタキソノミー(分類学)

アメリカの心理学者B.S.ブルーム(B.S.Bloom)はマスタリー・ラーニングという教育方法の理論を提示し、G.I.ブラウン(G.I.Brown)は合流教育を提案したが、両者に共通するのは教育の対象領域を『頭脳・こころ・身体』の3領域に分類したことである。

即ち、学校教育の目的となる人間の要素を、『認知・情意・精神運動領域』の3つに分類したのであるが、こういったB.S.ブルームのような要素・属性・目的の分類によって研究領域を定義・設定していく学術分野のことを『タキソノミー(Taxonomy)』と呼ぶこともある。

『認知・情意・精神運動領域』は、英語では“KSA (Knowledge,・Skill・Attitude)”という略語で表現されるが、ブルームは教育活動の対象となる認知領域(Knowledge)を以下の6つの要素に分類しており、教育による学習行動は『的確かつ効果的な判断』に向かって進展していくと考えていた。

1.知識(Knowledge)……与えられた客観的な知識・情報を暗記して、必要に応じて想起できるようにする。

2.理解力(comprehension)……与えられた客観的な知識・情報の内容や論理の展開を把握して、必要に応じて知識を活用できるようにする。

3.応用力(application)……学習した基本的な知識・理論・情報を活用して、与えられた新規な応用問題を解決することができるようにする。

4.分析力(analysis)……問題状況や観察した事象を『複数の構成要素』に分けて、その傾向・特徴・確率などを分析できるようにする。

5.統合力(synthesis)……『複数の構成要素』を適切に分析した結果として、新たな理論・独自の価値観などを論理整合的に統合できるようにする。

6.判断力(evaluation)……自分の学習経験や分析力・統合力を生かして、現実世界で直面する問題・危機に対して効果的な判断を下せるようにする。学習した成果や問題解決の方法を、現実の社会や人間関係の中で生かして『実際的・効果的な判断』をできるようになることが、教育の重要かつ喫緊の目的でもある。

日本ではB.S.ブルームのタキソノミーの教育方法論を紹介した『教育評価法ハンドブック』などが刊行されているが、ブルームの教育心理学的な功績は『単純な知識の暗記を超えた理解・応用・判断に結びつく学校教育の重要性』を指摘したことにある。

認知的領域の学習のタキソノミーでは、最も基本的な知識内容の把握を『理解力』、記憶した知識・解法を新しい課題場面(問題状況)に当てはめる『応用力』が、教育の重要な達成課題として定義されている。更に、問題を複数の構成要素に分解して、問題の全体的な構造を把握する『分析力』、構成要素を再構成することで新しい全体の理論を作り出す『統合力』、価値や意味を判断して効果的な行動を可能にする『判断力』が、教育活動の高次元の目標として定義されている。



posted by ESDV Words Labo at 03:15 | TrackBack(0) | た:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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