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2010年12月01日

[脳下垂体(pituitary gland, hypophysis)と成長ホルモンの分泌障害]

脳下垂体(pituitary gland, hypophysis)と成長ホルモンの分泌障害

脳下垂体(pituitary gland, hypophysis)とは脳内にある様々なホルモンを分泌している内分泌器官であり、脳下垂体からのホルモン分泌量は、視床下部の分泌調節ホルモンによる統制を受けている。脳下垂体は頭蓋骨の底部の中心部に位置しており、トルコ鞍という窪みの中にある。重量は約0.5gで人の小指の先ほどの大きさしかない小さな器官だが、生体ホルモンの分泌器官として重要な役割を担っている。

脳下垂体の前下方にある部分は『腺性下垂体(下垂体腺葉)』と呼ばれ、後上方にある部分は『神経性下垂体(下垂体神経葉)』と呼ばれる。腺性下垂体は、発生過程で口蓋上皮が増殖して形成されたものであり、ラトケ嚢という袋状のくぼみに由来する上皮性細胞塊から作られている。神経性下垂体のほうは、発生学的に脳の『間脳』部分の発生過程でその一部が伸びてきて形成されたものである。

脳下垂体の構造は『前葉・中葉・後葉の3つの部分』に分類することができ、それぞれの部分は以下のような生体ホルモンの分泌を担当している。

脳下垂体前葉……ACTH (副腎皮質刺激ホルモン,adrenocorticotropic hormone),GH (成長ホルモン,growth hormone),PRL (プロラクチン,prolactin),TSH (甲状腺刺激ホルモン,thyroid stimulating hormone),LH (黄体形成ホルモン,luteinizing hormone),FSH (卵胞刺激ホルモン,follicle-stimulating hormone)

脳下垂体中葉……MSH (メラニン細胞刺激ホルモン,melanocyte-stimulating hormone)

脳下垂体後葉……乳汁分泌や子宮収縮、脳の情報伝達(性行動)に関わるOXT (オキシトシン,oxytocin),VP(=ADH) (バソプレッシンまたは抗利尿ホルモン,vasopressin)

前葉から分泌されるACTH (副腎皮質刺激ホルモン,adrenocorticotropic hormone)は、副腎皮質に作用して副腎皮質ホルモンの分泌を促進するものであるが、このホルモンは『抗ストレス作用・抗炎症作用・血圧の調整・体調の調整』などの重要な役割を果たしている。

TSH (甲状腺刺激ホルモン,thyroid stimulating hormone)は、外部から取り入れた食物をエネルギー(熱)に変えたり、不要になった排泄物(老廃物)を排出したりする『代謝』を活性化させている。プロラクチンは、乳腺を刺激して乳汁分泌を促進するホルモンであるが、過剰分泌になると高プロラクチン血症を発症して『乳汁分泌・無月経・無排卵・頭痛』などの症状が起こることがある。

脳下垂体の前葉は、副腎皮質・性腺・甲状腺といった他の内分泌器官のホルモン分泌を調節する役割を果たしており、骨や筋肉の発達形成を促進する成長ホルモンも分泌している。前葉の成長ホルモンの過剰な分泌障害が起こると、先端巨大症や巨人症などの疾患が発症することがある。先端巨大症が発症すると、手や足が大きくなったり、額・目の上の突出、鼻の肥大化、下顎の突出といった顔の変形の症状が出てくるが、それ以外にも精力減退・月経不順・大量発汗・変形性関節症といった各種の症状が出てくることがある。

逆に、成長ホルモンの分泌が極端に少なくなると、身長が極端に低くなる小人症や脂肪がつかずにガリガリに痩せてくるシモンズ病などの内分泌疾患が発症することもある。



posted by ESDV Words Labo at 18:34 | TrackBack(0) | の:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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