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2010年12月01日

[脳性麻痺・脳性まひ(cerebral palsy)]

脳性麻痺・脳性まひ(cerebral palsy)

出生前(受精時)から生後4週までの間に、何らかの原因で受けた『脳の損傷』によって発生する手足・身体の運動機能障害の総称を『脳性麻痺(cerebral palsy)』という。脳性麻痺は、口腔器官の麻痺による『言語障害』や脳機能の発達不全による『知的障害』を併発しやすいという特徴も持つ。

脳性麻痺(脳性まひ)には、遺伝子異常による遺伝性疾患や生後4週目以降に発症した脳障害は含まれない。しかし、医学的には子どもが『5歳以降に受けた脳損傷』による身体の麻痺を脳性まひに含めないとする定義が採用されることも多く、1歳や2歳の時点で脳に損傷を受けて手足・体幹の麻痺が起こっても脳性麻痺と診断される。

短期に回復する一時的な運動障害や進行性の麻痺、進行性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)なども、脳性麻痺とは異なる障害である。脳性麻痺は乳児1000人につき2〜4人の割合で発生するが、早産児(未熟児)にはその10倍の確率で起こり、出生時体重が非常に少ない低体重児では脳性麻痺発症のリスクが高くなるとされる。

脳性まひの原因には、周産期仮死や低体重出生(早産児・未熟児)、出産時の酸素供給の不足、高ビリルビン血症による核黄疸などがあるが、脳性まひが発生する周産期によって『胎生期・周産期・出生後』の3つに分類される。それぞれの発達段階において想定される脳性麻痺の原因としては、以下のようなものを考えることができる。

胎生期の原因……脳の生成過程の問題である脳形成異常,脳出血,虚血性脳障害(脳梗塞),風疹、トキソプラズマ症、サイトメガロウイルス感染症などの胎内感染

周産期の原因……胎児仮死(チアノーゼ伴う),新生児仮死,核黄疸(高ビリルビン血症),脳室周囲白質軟化症(PVL)

出生後の原因……脳炎・髄膜炎,脳血管障害

出産してから後も、生後1年間くらいは髄膜炎、敗血症、外傷、重度の脱水症などによって脳に損傷を受けるリスクがあるので、怪我による感染症や脱水症状には注意が必要である。脳性麻痺の具体的な症状には、手足・身体が動かせなくなる『麻痺(まひ)』と手足がガタガタと不随意的に振るえて制御できなくなる『痙攣(けいれん)』とがあるが、その症状の重症度は軽度のものから重度のものまで様々である。

脳性麻痺は、脳の損傷部位とその症状によって以下の4つのタイプに分類することができる。

アテトーゼ型……大脳基底核の損傷による不随意運動を特徴とするタイプ。筋緊張によって運動が障害されるが、腕・脚が曲がったままになる筋拘縮は起こりにくい。言語障害と感音性難聴を発症することが多い。発語発声の運動性言語障害が起こったり、筋緊張で運動が不安定になったり、感覚・運動の協調性の困難が発生したりすることがある。

失調型……小脳及びその伝導路の損傷による四肢麻痺、運動の不安定性などを特徴とするタイプ

痙直型……上位運動ニューロンの損傷によるケースで、四肢の筋緊張の亢進で固まったようになって簡単に動かせないのが特徴である。障害が現れる部位によって、『片麻痺・対麻痺・四肢麻痺・両麻痺』などに分類される。視覚障害や認知障害、斜視などを合併することが多い。

固縮型……錐体外路の障害による四肢麻痺を特徴とするタイプ。強固で持続的な筋緊張が起こることで、関節の動きが歯車様となり滑らかな運動が出来なくなったり、全く動かせない緊張状態となる。

上記の4つのタイプが複合する形で『混合型』というものもあり、このケースでは不随意運動と筋肉の強直・痙攣が同時に発症することが多い。運動障害や四肢の麻痺に対しては、発達年齢に応じたリハビリテーションや機能強化訓練が実施されるが、脳性麻痺の機能訓練で最も重要なのは『乳幼児期からのトレーニング』である。そのため、脳性麻痺の教育環境への適応や社会的自立という観点においても、『早期発見・早期療育』の重要度が強く認識されるようになってきている。



posted by ESDV Words Labo at 19:52 | TrackBack(0) | の:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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