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2006年05月10日

[アドレリアン・カウンセリング(Adlerian Counseling)]

アドレリアン・カウンセリング(Adlerian Counseling)

アドラー心理学(Adlerian Psychology)の項目で書いたアドラーの考案した心理療法・カウンセリングの理論内容と技法実践の特性を示すと以下のようになる。アドレリアン(アドラー心理学を基盤におく心理臨床家)は、フロイディアン(古典正統的な精神分析家)と比較すると、過去の対人関係や転移感情を重視せずに、現在の問題行動や人間関係の改善に力を注ぐのが特徴である。

1.分析家(カウンセラー)とクライエントの間に権威主義を持ち込まず、対等な人間関係の中で相互的信頼関係(相互的協力関係)を構築することが、心理的な支持や受容の効果を生み出すことになる。

2.分析家の中立性やクライエントの鏡といった非指示的な一方的受容に徹するのではなく、クライエントの不適応な精神状態や人間関係・行動パターンを適応的に変容させる為の積極的な助言やアドバイスを行う。

3.心理分析的な長期療法ではなく、問題解決的な短期療法(ブリーフ・セラピー)としての性格を強く持っている。内面心理を過去にまで遡って詳細に分析するよりも、現実的な生活状況の改善や実践的な対人関係の問題を解決できるようにカウンセラーとクライエントは努力すべきだと考える。

4.短期療法としての特徴を積極的に活用するアドレリアンは、大体、15回前後のセッションを一区切りとしてカウンセリング(心理療法)を終結するカウンセリング計画(治療指針)を立てる。明確なカウンセリング計画を立てる為に面接場面の初期段階で受理面接(インテーク)を行い、『どういった問題解決に向かってカウンセリングを行うのか』という事について、クライエントとの間で合意する。

5.アドレリアンは、精神分析療法のような無意識の意識化や内面の洞察を重要視することはなく、論理的思考に基づく助言や実践的な対案の提出を中心にカウンセリングを進めていく。過去志向ではなく、問題分析的な理論でもないことがアドラー心理学の特徴であり、現実的な問題や困難をどう乗り越えて自分を成長させるのかがカウンセリングの主眼となる。

6.アドラー心理学のカウンセリングは行動療法的な側面を持っていて、『実際にその課題を出来るかどうか試しにやってみる』という具体的な実験行動の試みが本人の問題解決に非常に役立つと考える。頭の中で悩み考えるよりも、まず出来るかどうかチャレンジして試しに実行してみるように力づけてやる(エンパワメントやエンカレッジ)というのがアドレリアンの勇気付けの技法の特徴でもある。実際に、目標とする行動や言動を試行してみて、その結果として生じた感情や経験を面接場面へとフィードバックすることで、段階的に達成課題や問題行動を乗り越えていくことを目指す。

勇気付けの心理学や新しい生活習慣獲得の心理学としての特徴を持つアドラー心理学において、カウンセリングと心理療法の面接技法を区別することがある。その場合には、精神的問題の原因に関する専門的な解釈投与をする面接構造を心理療法として定義し、実生活の上での悩みや問題に対する積極的なアドバイス(励まし・勇気付け)を中心とする面接構造をカウンセリングと定義することになる。



posted by ESDV Words Labo at 10:37 | TrackBack(0) | あ:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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