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2011年01月12日

[パーキンソン病(Parkinson's disease)・パーキンソン症候群]

パーキンソン病(Parkinson's disease)・パーキンソン症候群

パーキンソン病(Parkinson's disease)は、1817年にイギリスの医師ジェームズ・パーキンソン(James Parkinson)により報告された疾患であり、手の振るえ(振戦)や筋肉の固縮、運動低下などの症状が現れる神経変性疾患である。ジェームズ・パーキンソンは『振戦麻痺 (shaking palsy)』 という名称を付けて、『寡動・安静時振戦・姿勢保持障害・前傾姿勢・小字症(文字を小さくしか書けなくなる)』などの症状を指摘している。

パーキンソンの振戦や運動低下などの報告は長く評価されなかったが、1888年にヒステリー研究で著名なフランスの神経科医ジャン=マルタン・シャルコーが、“筋強剛(筋肉の過剰な硬直)”の症状を追加して『パーキンソン病(Parkinson's disease)』と呼ばれるようになった。パーキンソン病の症状であるパーキンソニズムは他の疾患の副次的症状として出現することも多く、パーキンソニズムが見られる症状を総称して『パーキンソン症候群(Parkinson Syndrome)』と呼ばれることもある。

パーキンソン病の原因は、脳内の情報伝達物質であるドーパミン(運動調整と相関)の不足とアセチルコリンの相対的増加であるが、大脳基底核の神経細胞(ニューロン)の変性変質・脱落も起こってくるので、一般に薬物治療によって症状を改善すること(進行を遅らせること)はできても完治することはないとされる。

パーキンソン病は、40歳以上ではおよそ250人に1人、65歳以上で約100人に1人に発症する疾患であり、初老期・老年期に当たる50〜79歳で発症することが多くなっている。人種による発症率の差もあり、白人は黒人の2倍以上の確率でパーキンソン症候群を発症するリスクがあるとされる。40代以下で発症するパーキンソン症候群のことを『若年性パーキンソン病』と呼び発症率そのものはかなり低いが、手の振るえや筋肉の硬直、歩行の困難などで日常生活・職業活動の支障が大きくなる難病(特定疾患)である。

パーキンソン病の初期症状は、自分で動かしていないのに勝手にリズミカルに手が振るえる『安静時振戦』が多いが、それ以外にも吸気が困難になって起こる『嗅覚の減弱』、体を余る動かさなくなる『運動緩慢』、歩き出すのが難しくなって歩幅が小さくなる『歩行困難』、まばたきの回数が減って顔が無表情になる『仮面様顔貌』などの症状がある。

パーキンソン病が悪化していくと最終的に、口を閉じることが難しくなり無表情になり、まばたきの回数も減ってくる。顔と喉の筋肉が硬直してくると、嚥下困難の症状が出てきて、涎が垂れたり喉に食物を詰まらせる窒息リスクも出てくる。パーキンソン病の症状によって、話し方が単調な小声で聞き取り難くなったり、言葉をはっきりと発音できずに吃音が起こってしまうこともあるが、症状の進行によって知能低下(将来の認知症)が起こるリスクもある。

パーキンソン病の薬物療法に用いられる薬は多くあるが、パーキンソン病そのものを治癒したり完全に進行を止めたりできるわけではなく、進行を遅らせてQOL(生活の質)を長く良い状態に保つことが目的となっている。薬物療法以外には、『定位脳手術・電気刺激療法・脳移植(胎児黒質の脳移植は殆ど行われておらず技術的にも不完全である)』などの外科的療法もある。

代表的な治療薬としては、ドーパミン前駆体(ドーパミン補充薬)のレボドパがあり、レボドパが脳に達する前にドーパミンに変換されてしまうのを防ぐカルビドパと一緒に服用することで症状を緩和できる可能性がある。だが、『胃腸障害・精神症状・吐き気・抗コリン症状・ジスキネジア』などの副作用が出る可能性も高いので、服用に当たっては医師の観察・指導と十分な注意が必要である。



posted by ESDV Words Labo at 14:33 | TrackBack(0) | は:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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