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2006年05月23日

[内田・クレペリン精神作業検査],[ウォーミング・アップ(warming up)]

内田・クレペリン精神作業検査

一般職業適性検査(General Aptitude Test Battery:GATB)の項目で、『内田・クレペリン精神作業検査』の実施方法と測定項目について概略を書いた。精神疾患の分類整理を行い近代精神医学の父と言われるエミール・クレペリン(E.Kraepelin, 1856-1926)が開発した作業検査を、日本の心理学者・内田勇三郎(1894-1966)が日本人向けに改良したものが内田・クレペリン精神作業検査である。

内田・クレペリン検査は、検査の結果得られた『作業曲線』を元にパーソナリティの診断をする心理テストで、心理アセスメントの中では『作業検査』に分類される。

ずらりと並んだ一桁の数字を連続加算していき、その作業効率の曲線を見て、性格特性や作業適性、職業適性、精神機能の特徴を診断的に査定する作業検査が内田・クレペリン精神作業検査である。実際の作業検査は、『前半の作業15分・休憩5分・後半の作業15分』の時間配分で行われる。

平均的な人格特性を持っていて偏りの少ない健康な精神状態にある人の作業曲線を『定型曲線』として、それとの類似や差異を比較して総合的に判定する。現在では、性格検査としてよりも、長時間の運転作業・機械操作を必要とする職業の適性検査として用いられることが多くなっている。

内田・クレペリン検査で測定されるのは、『テスト開始時の作業効率・テスト途中の作業量の低下率・興奮の上昇量・休憩の効果の有無・問題の脱落や計算のし忘れ』などであり、そこから、安定した作業能力と性格特性・根気強い作業への姿勢と持続性・勤勉な職業適性・作業時間による疲労の程度などを査定していくことになる。

ウォーミング・アップ(warming up)

準備運動をせずに突然激しい運動をすると、循環器系や筋骨格系に大きな負担が掛かり予期せぬ怪我や不調の原因になってしまう。その為、運動を行う前には、ウォーミング・アップ(warming up)という軽度の準備運動(慣らし運動)が必要である。

全般的な心身のコンディション(状態)を安定させて激しい運動に備える為の準備運動がウォーミング・アップであり、ウォーミング・アップによって身体や筋肉の温度を上げ、血液の循環を良くし、筋肉とアキレス腱、靭帯などの柔軟性を十分に高めておくことが大切である。

スポーツ医学の観点からも、プロスポーツ選手の身体の故障を未然に予防する方法として、ウォーミング・アップの重要性が認識されている。ウォーミングを怠って、いきなり過度の負荷を身体にかけると、肉離れ、靭帯断裂、筋肉断裂、骨折、乳酸蓄積による筋肉痛の長期化などの悪影響を身体に及ぼしてしまうことになる。

ウォーミング・アップを行う時間は、30分前後が望ましく、あまり長時間行うと逆に身体の疲労やダメージを蓄積してしまい、本番で十分に実力を発揮することが出来なくなってしまう恐れがある。

心理学概念でいう精神的な準備状態であるレディネス(readiness)や発達心理学でいう成熟への準備段階としてのレディネス(readiness)も、潜在的なパフォーマンスや好ましい行動の結果を残す為に必要なものであるが、身体医学やスポーツ医学におけるウォーミング・アップも、選手の身体管理と本番の実力発揮と強い関係を持っている。

posted by ESDV Words Labo at 22:36 | TrackBack(0) | う:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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