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2011年01月31日

[カール・ロジャーズのパーソナリティ変容条件]

カール・ロジャーズのパーソナリティ変容条件

アメリカの臨床心理学者C.ロジャーズ(C.R.Rogers, 1902-1987)は、来談者中心療法(クライエント中心療法)を開発して『カウンセリングの神様』とも称されたが、ロジャーズの来談者中心療法の目的は『直接的な問題解決』よりも『人格的な成長・精神的な成熟による問題解決』のほうに主眼があった。C.ロジャーズは『カウンセラーの基本的態度』を用いて、徹底的な傾聴や共感的な理解、非審判的態度などカウンセリングの交流を促進することで、クライエントのパーソナリティがより適応的で機能的なものに変容すると考えていたのである。

C.ロジャーズの来談者中心療法(クライエント中心療法)をベースとしたカウンセリングでは、『クライエントの問題解決・心理的ケア』と合わせて『クライエントのパーソナリティ変容(人格的成熟・精神的成長)』が大きな目標となるが、ロジャーズ自身は『パーソナリティ変容条件』として1957年に以下の6項目を上げている。

1.カウンセラーとクライエントの双方向的で共感的な人間関係(ラポール)の構築。

2.クライエントが自分はこういう人間だと思っている『自己概念』と実際に経験している自分の状況である『自己経験』が矛盾なく一致しているという自己一致。理想自我と現実自我の間に大きなギャップが生じていたり、実際に経験していることが自己概念(自己定義)から大きく離れている時には、心理的葛藤や苦痛が大きくなり所与の環境への適応ができなくなる。

3.カウンセラー自身もクライエントとの関係性の中で、自分がこういう人間だと定義する『自己概念』と『現実の経験』とが矛盾無く一致していること。

4.クライエントの感情・価値観に対して批判や反論をせずに、無条件の肯定的受容・積極的尊重をすること。クライエントの考え方・発言に多少の間違いがあっても、審判的な態度や断罪的なスタンスを取ることなく、カウンセラーは常にクライエントの支持・ケアに努めるようにしなければならないということ。

5.カウンセラーがクライエントの立場に自分を置き換えた『共感的な理解』を進めながら、クライエントの感情や衝動に呑みこまれないように注意すること。

6.『無条件の肯定的受容・積極的尊重』と『共感的な理解』を、クライエントに何らかの形で伝わるように工夫すること。

カール・ロジャーズは上記した6つの必要十分条件が揃っていれば、カウンセラーがどんな理論・技法を採用してカウンセリングを行っても、あるいはクライエントの元々の性格特性がどのようなものであっても、何らかの『肯定的意味を持つパーソナリティ変容』が引き起こされるはずという臨床的・経験的な信念(人間観)を持っていた。



posted by ESDV Words Labo at 22:43 | TrackBack(0) | は:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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