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2011年01月31日

[デモクラティック・スクールとパークウェイ・プログラム(Parkway Program)]

デモクラティック・スクールとパークウェイ・プログラム(Parkway Program)

この記事は、前回の記事の続きになります。日本におけるオルタナティブ教育(代替教育)は、学校教育法等の法的根拠を持っていない『非正規の教育機関・教育内容』を意味しており、学校教育法1条の規定で卒業証書の公的証明能力がある『1条校』とは異なる。具体的なオルタナティブ教育としては、フリースクール、デモクラティック・スクール、通信教育(ネット利用のEラーニング)のサポート校、インターナショナル・スクールなどの無認可校、ホームスクーリングなどがある。

日本では法的根拠のないオルタナティブ教育だけだと、正規の課程の卒業資格を認定されないので、上位校への入学資格を得るためには、『通信制・定時制の学校』などで正規課程の履修をしたり、文部科学省による卒業資格認定試験(大検など)の受験が必要になってくるという問題もある。『デモクラティック・スクール(democratic school)』の起源は、アメリカ・ボストンにあるサドベリー・バレー・スクールにあるとされているが、デモクラティックスクールというのは『生徒達の民主主義的な自治運営・校則制定』によって運営される生徒の主体性や集団運営を最大限に尊重した学校のことである。

デモクラティック・スクールは『生徒の自主性・主体性に基づく自己決定』を重視するが、『自由放任・やりたいことをやるという教育方針』とは全く異なる学校教育の運営思想であり、『生徒たちが議論・採決を通して自分たちで決めた校則やルールを守る』という民主主義的な運営理念に従って授業を受けて共同生活をする場となっている。デモクラティック・スクールの教育理念の趣旨は、社会生活や共同生活の基盤にある『共通のルールを守る・メンバーで議論をしてルールを作り改善していく・ルールの下での自由や権利を相互に尊重する』という事なのである。

1969年にアメリカのフィラデルフィアで設立されたオルタナティブ教育の運営理念・教育方針が『パークウェイ・プログラム(Parkway Program)』であるが、その基本コンセプトは従来の主流的・伝統的な学校教育とは異なることを強調した『塀の無い学校(school without walls)』であった。『塀の無い学校』というと、『義務教育の枠組みがない自由放任の教育姿勢』という誤解を受けやすいのだが、フィラデルフィアのパークウェイ・プログラムの塀の無い学校というのは『物理的に学校を囲い込む塀(コンクリート壁)を建設しない』というだけではなくて、『学校と地域社会との間に塀(心理的な障壁)を作らないようにする』という学校と地域の双方向的なコミュニケーションを意味していた。

つまり、地域社会や現実社会から『塀・壁』で隔絶された建物(場所)で学校教育を行うのではなくて、地域社会の人々とコミュニケーションを行い、現実社会のルール・常識・社交も学びながら学校教育を行うことが望ましいという理念がパークウェイ・プログラムには込められていたのである。実際に教育を行う場所は、市内の学校やアパートの中に設けられて、4つ(初期は5つ)の分校ユニットが設置されたのだが、パークウェイ・プログラムの最大の特徴は『美術館・博物館・教会・YMCA(キリスト教青年会のNPO)・会議場・体育館(競技場)』など地域社会の社会的資産を学校教育にも積極的に開放して使ってもらうという事であった。

パークウェイ・プログラムは、アメリカのキリスト教的な文化・教育・慈善と密接なつながりを持っているが、そこには『地域社会の復興・地域の教育機能の回復・相互扶助的な連帯感』を機能的な学校教育につなげていきたいという願いが込められており、『人道的な学校教育・地域コミュニティの再生』という両面から関心が寄せられる事になったのである。



posted by ESDV Words Labo at 22:48 | TrackBack(0) | て:心理学キーワード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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